けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

東京~面影

私は深夜番組が好きだ。

民放のお笑い系も良いが、私が好きなのは、さらに夜が更けた頃のNHK。
時間帯にして、午前2時から4時といったところか。


その時分にNHKをつけると、総合なり教育なりで、ただ映像と共に音楽を流すという番組(?)をやっている。
あれを、ぼへーっと見るのが、ものすごく好きだ。


ある時は、ライン川を下りながらの古城をバックに、クラッシック。
ある時は、何処かの国の祭を背景に、その土地の民族音楽

といった具合に、五感をフルに満足させてくれる内容である。


そして、私が中でも気に入っているのは、表題のとおり「東京~面影~」というやつだ。


音楽は、大貫妙子矢野顕子

映像は、東京の下町の何気ない一日。


これが、いい。
何回見ても、いい。
たまに泣けちゃうくらい、いい。


大貫妙子の静かな歌声が流れる中、淡々と過ぎていく日常。

子供が駆けていく道の端で、おばあさんが犬と戯れ、おじいさんは畑に水をやり、その脇を猫がしっぽをそよがせながら通りすぎる。

そして、その遙か向こうに霞む高層ビル。


私が将来住むとしたら、きっとあの高層ビルのようなマンションなんだろう。
そしてベランダから、まだわずかながら所々に残る下町の風景を見下ろすのだ。
その土地で、生まれ、育ち、人と交わりながら老いていく、そんな生活を見下ろすのだ。

決して、自分のものにならない、自分が入り込めない、そんな世界を。


羨ましいと思いながら。






地元から離れずに、子供の頃からの友人に囲まれて生活をする、というのに、最近強く憧れる。

どんな感じなんだろうか?

ふらっと友達の家に行き、食っちゃべって昼寝して帰ってきたり。
ふらっと電話がかかってきて、ちょっと公園で花見したり。
ふらっと子連れでやって来て、子供を預けられて悪戦苦闘したり。

きっと郵便局に一人くらい就職しているのだ。
そして、ちょっとくらい時間が過ぎていても、何とかしてくれたりするのだ。
そして、そのお礼に、もらったミカンをおすそわけしたりするのだ。

緑になってないミカンを。

いいなぁ。






流浪の民である我々は、そういうものを捨ててきた。

捨てようという明確な意志のもとに、捨ててきた。

だから今、私の周りには、そういう世界はない。


これから作ることが出来るのだろうか?
うーむ、ちょっと自信がない。






そんなことを、つらつら考えていると、飛び込んでくる矢野顕子の歌詞。


親と親は敵同士♪
選挙のたびに殴り合い♪


この曲の主旨は…いったい…。

調べりゃいいんだが、なんとなく、このまま謎にしておきたい世界。






こういう番組をたれ流せる余裕が、やっぱり良いわぁ、NHK。




さあ、みなさん。


払いましょうねー。



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