けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

あんこ椿のあんこって?





椿。

木偏に春と書いて、椿。

春の象徴は、桜ではなく、雪の中でも負けずに咲く、この花に託されました。



私は昔、椿と山茶花の見分けがいまいちつかなかったので、母に聞いたことがあります。

すると、実に明快な答えが返ってきました。



花の終わりに。


花びらが散るのが、山茶花

花がそのまま落ちるのが、椿。


おお、確かにそうだ。



その終わり方のせいでしょうか、椿は少し縁起が悪いイメージがあります。

<時代劇などで切腹の時などに、椿の花が、ぼとっと落ちるシーンで、それを暗示したりしますよね。
とにかく首からぼとっと落ちる感じ、あれがよろしくないようです。  




私が高校3年生の、椿の季節。

そう、受験シーズン真っ只中だった時です。


私は本命の受験を済ませ、あとは結果を待つばかりでした。
夕食を終え、母とお皿を洗いながら 「どうじゃろうねぇ。」 と話していた丁度その時。

傍らに生けてあった椿の花が。


ぼとっと。



落。






「……。」

「……。」

途切れる会話。



私は、ぼそっと自嘲気味に言いました。

「あぁ…、ダメなんかねぇ…。」



母は、ふんっと鼻を鳴らしながら、ひと言、こう言ってくれました。

「なんゆうちょるんかね。」 (なにを言っているんですか)



まあ、さすがに結果は気になっていましたので、あのひと言に救われた気がします。

あ、一応、志望校には合格しましたけどね。
おかげさんで。



もしあの時受験に失敗してたら、椿の花が嫌いになってたかもしれませんねぇ。
よかったぁ、合格して…。






そういえば私が受けたところって、ちょうど今ぐらいからやっと始まるんです、受験シーズンが。
遅いんですよね、普通の大学より。

なもんで、1月の終わりにひっさしぶりに学校へ行った時、クラスメイトに、

「ねぇ、ねぇ! 大学決まった??」

と、満面の笑みで聞かれたのですが。

「……まだ受けてない。」

としか、言えなくってねぇ…。



そのクラスメイトの困った顔が忘れられないのです。

元気かなぁ、むくちゃん。






ふぅむ、もう春ですねぇ。

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