けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

弐 貝よ、君らは何者だ。

こうなると、気になってしまいます。  

 

いったい、「ニナ」ってなんなのさ、と。




調べてみたところ、これがまた、実に古くからある言葉でした。

 

万葉集に出てきます。 
「にな」の古語にあたる「みな」という言葉が、枕詞として用いられていたりするそうです。



 

そして、徒然草にも。

 

第百五十九段
  
  「みな結びと言ふは、糸を結び重ねたるが、蜷といふ貝に似たれば言ふ」と、
   或やんごとなき人仰せられき。「にな」といふは誤なり。

 

…ありましたっけね、こんな話?




 

そしてそして、極めつけが……  「にな祭り」。
 
ひな祭りじゃぁ、ありませんよ。 「にな祭り」です。

 

このお祭りが行われるのは、大分県にある宇佐八幡宮です。
宇佐八幡宮というあたりが、ミソですね。

 

この八幡宮は、全国の八幡宮総本宮で、応神天皇が祀られています。
そしてこの応神天皇は、天皇の始祖の一人ではないかとも言われている、天皇家の歴史の中では非常に重要な方なのですが。
まあ、この辺の話は、逆説の日本史でも読んで下さい。 
面白いですよ。

 

とにかく、古いんです。 歴史が。
で、宇佐八幡宮で行われている「放生会(ほうじょうえ)」という祭事が「にな祭り」です。

 

応神天皇が戦で多くの人命が失われたのを悔いて生類を放したのが始まりとされ、魚貝、特に、蜷(にな・巻貝)や蛤が多く放たれるそうです。

 

古代から、「ニナ」 は 「にな」だったんですねぇ。

 

「蜷(にな)」という漢字の音読みは「ケン」です。
てことは、「にな」というのは、和語ということでしょうか。

 

漢字のつくりからしても、巻き貝の総称として「にな」という言葉が使われていたのかもしれません。

 

そして、地域ごとに一番よく見かける巻き貝が違うので、「にな」と呼ばれる貝がまちまちだ、と。




そんなところでしょうか?





ええ…。 すいません、まだ続きます…。
ご利用まことにありがとうございます。