記憶の底
記憶。
それは、五感によって呼び覚まされる。
例えば、味覚。
タカシには、5歳の時生き別れになった母親がいる。
そんなタカシも、もう二十歳。
ある日、ふらりと立ち寄った食堂で食べた定食。
なにげなくお茶請けに出された漬け物を食べたタカシは、ハッと驚く。
「この味は……! 母さん! 母さんだね!?」
的な。
そして、今の私の場合は、聴覚。
夜な夜な垂れ流されるテレビからの音に、記憶が呼び覚まされまくりなこの頃。
かつて勤め人だった頃。
寝るともなしに、テレビをつけたままごろごろしていた、午前二時。
(今と変わりゃぁせんが、勤め人。)
そのとき敷いていた絨毯の模様なんぞを思い出す。
このメロディーで。
奈・良、健康~ラァンドッ
タッタカタッタカタッタカ
奈・良、健康~ラァンドッ
タッタカタッタカタッタカ
わ~かやまの種無し柿~~~ぅわ~かやまの種無し柿~~~ぃ
にしざわ・学園
ぅわ~かやまの種無し柿~~~ぃ
ニシザワ・ガクエン
えち~ぜんや~…
えち~ぜんや~…
……んもっとも~~っとタケモットッ ハイッ
えち~ぜんや~…
電話してちょーだいっ
やっぐっらっ茶屋っ! はぁ~~~どんと来い!
カンテ~~~ェレ
……疲れも取れ~るぅ~(れぇる)、お酒も抜けぇる~(けぇる)
ひ・と・皮・剥・け・るっ
千日前の~~ぉぅふぉぅぉおぅ~~~
わ~かやまの種無し柿~~~ぅわ~かやまの種無し柿~~~ぃ
にしざわ・学園
ぅわ~かやまの種無し柿~~~ぃ
ニシザワ・ガクエン
えち~ぜんや~…
えち~ぜんや~…
……んもっとも~~っとタケモットッ ハイッ
えち~ぜんや~…
電話してちょーだいっ
やっぐっらっ茶屋っ! はぁ~~~どんと来い!
カンテ~~~ェレ
……疲れも取れ~るぅ~(れぇる)、お酒も抜けぇる~(けぇる)
ひ・と・皮・剥・け・るっ
千日前の~~ぉぅふぉぅぉおぅ~~~
アムザ1000!
交響曲 第一番 「寛斎、それじゃなくて関西」
作曲: たぶん8割方キダタロー
どれかひとつでも聞くともう、頭の中まわるまわる……そりゃぁもうエンドレス。
超ローカルネタなので説明します。
これらは、関西で流れているCMソングなのです。
わかる人には全部わかることでしょう。
そして今頃、頭の中をまわっていることでしょう! ふはははは!
奈・良、健康~ラァンドッ♪
こいつが一番くせもの。
ほんとぅに。
ふぅ~…。