けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

私の悪行

告白します。

私は「ウソつき」です。


自他共に認めると言っていい「ウソつき」です。

でも、少ぅし人に優しくしてもらいたいな、と思ったときなどは、その性格のことを「ホラ吹き」と言ってみたりもします。

そんな私が、高校生の時に吹いた「ホラ」をご紹介。





まずは、中学生時代まで、話を逆登らなければなりません。

私が中学1年生だったとき、2つ上の先輩に、私にそっくりな人がいました。




男です。      

……私は、女です。




「あの先輩、○○(私)に似ちょる~。」

と、そんなに仲が良かったわけでもないクラスメートに言われたときのことを、場所から、人の配置から、その時の光の具合まで、それはそれはよく覚えておりますが、ここでは割愛します。

 

ケッ。


とりあえず、その先輩のことを「シロ先輩」とさせていただきます。

犬の名前のようで申し訳ありませんが、とても色の白い人だったのです。


まあ、似ていることが発覚した時点で、その「シロ先輩」は既に中3。
幸いにも、とっとと卒業してくれて、私の屈辱の時間も最小限で終えることが出来ました。


そして、そんな人がいたことも忘れ、高校に進学。
私は、数人の友人と共に、弓道部に入りました。


古い道場で(古さは関係ないですが)、えっちらほっちらと弓の扱いを教えてもらっていた、4月の終わり頃でしたか。

その頃になって、初めて気がつきました。


いたんですねえ、弓道部に。
シロ先輩が。


矢道の向こうを歩くその姿を見て、私は驚愕しました。

声に出して「げっ。」と言ってしまったのを覚えています。



当然、私と出身中学が同じ友人達は、すぐに気がつきました。
そして、笑っていました。
そして、私も笑いました。

サザエさんの歌みたいです。


ここまで来ると、もう、何かしら縁があると、思うしかありません。
そこで、友人達に手伝ってもらい、本当に「縁」があることにしたのです。


弓道部女子の同期は、全部で12人。

当然、出身中学が違う人間もおり、これまた当然、シロ先輩と私の関係なぞ知る由もありません。

標的は、彼女達に決定。



私達が吹いた「ホラ話」は、こんな感じです。


------全体的に、さも深刻な話をしているような空気で、お読み下さい


友人  「3年生のねー、○○先輩(シロ先輩)っているぢゃろぅ?」

標的  「うん、いるいる~。」

友人  「あの人ね、○○(私)の、お兄さんなんよ~。」

標的  「えー、そうなん?あ、そういえば少し似ちょるかも…。でも名字が…。」

私   「うん、まあ、色々あってね…。お父さんが違うんよねー…。」

標的  「…あぁ、そうなんじゃー…。」


------少し沈黙の後、私、努めて明るく


私   「まあ、今は別に、どうっちゅうこと無いんじゃけどね。みんなには、先に ゆっちょこう(言っておこう)と思って。」

標的  「うん、わかったー。」

友人  「別に、普通に、ね。」

標的  「うん、そうじゃねー。うん、わかった。」

私   「ごめんねー、なんか、変な話…。」

標的  「うぅん、そんなこと無いっちゃ。言ってくれた方が良かったいぃねぇ。」

私   「あぁ、そう?」


------うんぬんかんぬん   自然な感じで会話終了







自分で言うのもなんですが、最初に話を切り出す役目を友人に頼んだあたり、実に絶妙だったな、と。    

今でも、そう思います。

そして何より、当時の彼女達は非常に素直でした。
こちらがびっくりするほど、すんなり信じてくれました。

約束もちゃんと守ってくれて、シロ先輩の前でも「普通に」、努めて「普通に」接してくれていました。



ありがたいですね。   ありがたまきん。




まあ。

まあ、ここまでは、よくあるホラ話です。

ここからが、私が、本当に反省しなければならないところで。

私と、ホラに付き合ってくれた友人数名は、このホラ話のことを、すっかり忘れてしまっていました。
6月に入り、水泳の授業が始まってからこっち、一度も思い出さなかったといっても過言ではありません。

ただ、一人二人と、真実に気がつく人間もおり、その都度、適当に小突かれて話を終わらせていたのです。

なので、まあ、もうみんな知ってるだろうという認識でおりました。





ところが。

3年生の引退が近づく頃に、何ともはやな事が判明しました。

秋になろうというこの時期に、まだ微塵も疑うことなく信じていた人間が、2人もいたのです。


「まだ、信じちょったんかね~!!」 (まだ信じていたのですか)


12人 引く 2人 =10人で、大笑いしてやりましたが、当の2人は、憤懣やるかたなし、といった表情でした。
まあ、騙されたまま、ひと夏を超したわけですから、無理もありません。


そのうちの一人など、花火大会の時に私の家へ遊びに来た際に、私の母を紹介され、


「ああ、この人が…。」


と、非常に複雑な心境になったっていうのに、なにさ! と語ってくれました。

私は、思わぬところで母親にまで妙な罪悪感を感じる羽目になってしまいました。
ほんの少しですが。 


いやいや、ホラを吹くときは、最後まで、ちゃんと責任を持たなければなりませんね。


それ以来、「あいつ等の言う事は、とりあえず疑ってかかれ」的な空気が、今もって流れたままです。


私が電話口で「ニキビが出来てさー。」なんて他愛のない話をしても、全て懐疑的に受け取られているような気がします。


でも、そんな事があったおかげで、おかげで? 今でも12人、良き仲間です。





しかし、です。

こんな話をブロクでしてて、しかも反省の色がない事がばれてしまうと、きっと空き缶や使用済みのおむつが飛んでくることでしょう。




だから絶対に内緒です!





いやあ、面白かったなあ。

ご利用まことにありがとうございます。