結構好き。
結構、好き。
結構、好き。
それも、遅い朝食を採りながら日曜の昼下がりの再放送を見るのが最高。
なので、正規の放送時間で見ることは、ほとんどナシ。
ナシ!だったのだが、この間たまたま見たのは、やはり血が呼んだのか。
その日から始まった新コーナー。
県民だけが喜ぶスポット『ひみつのおでかけ』。
ほうほう確かにありそうだなあー毎度毎度うまいこと考えてくるねえ、と思いつつ見ていたらば。
なんと、初っぱなから山口県だったのよ、ぅわお。
わー、でも、どこなんやろう、常磐公園かしら?とか思いつつ見ていたらば。
出てくる山口県民が、岩国市民なのね。
……。
もう、この時点で、うっすら嫌な予感。
で、岩国市民は、ガンガン答えますよ、いや、応えますよ、テレビに。
『ああもう、みんな行っちょる。絶対行っちょる!』
で、カメラが山道を行くね。
くねくね道を行くね。
この時点で、私は少し伏し目がちになりました、そして。
あーもう、見えてきましたよ、派手な建物がっ。
逃げられませんよ、もう逃げられませんよっ。
というわけで。
山口県民の、ひみつのおでかけスポットの名は。
山賊。
でした。
なんだかテレビでは『いろり山賊』なんて呼んでいましたが、
『いろり』の部分は始めて知りましたよ、このとき。
だって、山賊としか呼んでませんでしたもん。
山賊っていうのはね、トリもも肉を豪快に焼いた『山賊焼き』が名物の--。
テレビ 「ここは、何なんですか?」
山賊 「あ、ここはファミレスです!」
ええええええええええええっっっ!?
ふ…ふぁみれす
だったのぉぉ?
山口東部にあるファミレスっつーたら、あんた、徳山のサンデーサンしかなかったはずなのにっっ。
はずなのにっ。
あー、びっくりした。
あーー、びっくりした。
だいたいの話が、山賊は確かにお食事処ではありましたが、メニューといえば『山賊焼き』と。
もう1つ名物として紹介されていた『山賊むすび』。
それくらいしかなかったように記憶しています。
というか、私はほかのメニューを記憶していない。
頼んだことなかったぞ。
テーブルに置いてあった抹茶味の飴は、ご自由にどうぞだったし。
まさか山賊むすびに乗っかってる沢庵が別メニューなんてことはないだろうし。
まさか山賊むすびに乗っかってる沢庵が別メニューなんてことはないだろうし。
私が山口を出てから、山賊はずいぶんと大きくなったようです。
そりゃ有名だったとは思……。
うーん、いや、有名っていうか、みんな知ってたとは思うけれども、今ほどの存在ではなかったような。
うーん、いや、有名っていうか、みんな知ってたとは思うけれども、今ほどの存在ではなかったような。
どうやら今は、あの一帯で、「山口といえば山賊」という概念ができあがっているらしいんですよね。
あら近いですねえ、なんて話が少ぅし盛り上がりまして。
で、その子が言うのです。
で、その子が言うのです。
「ああ山口、えーっと、あそこに行ったことありますよ、あの、鶏肉の大きなのを焼いた……」
「……もしかして、山賊!?山賊に?わざわざ?山賊に、わざわざ??山賊に?わざ-(延々)。」
「……もしかして、山賊!?山賊に?わざわざ?山賊に、わざわざ??山賊に?わざ-(延々)。」
「はい、なんか有名だって言われて。」
って!
髪の毛切りに行って山賊のこと思い出すなんてミミズもびっくりでしたけど、そんなことがありました。
そんなことが起こるくらい、なんだか随分と昔と違っているのかい…?とは思っていましたよ。
が、しかし。
あそこまでとは。
あんなことになっているとは夢にも思っておりませんでした。
ありゃもう、ファミレスどころか、テーマパークですやんか。
そりゃ確かに、昔もね、派手っちゃ派手でしたよ。
何もないところに、いきなりドーンと赤提灯が出てきてね。
それを私は、車酔いのピークで朦朧とした意識のもと、ぼんやりと眺めるわけですよ。
うん、この辺、ほんっとに山道くねくねなのね。
「寄っていくかね。」 (寄っていきますか。)
「今は食べれん。」 (今は食べることができません。)
「今は食べれん。」 (今は食べることができません。)
返事をするのがやっとなくらい、そんな状態で通過する場所だったのですよ、私にはね。
私にとって山賊は、どちらかというと、食事するところというより神経逆撫でされるところだったわよ、そういえば。
書いてて思い出したわよ、そうなんだよ、そういえば!
書いてて思い出したわよ、そうなんだよ、そういえば!
ですが。
その赤提灯もね、ちょっと普通より数が多めだっていうだけで、別にそんな……。
ただただ、ちょっと赤提灯で屋根を飾ってあるだけでね、別にあんな……。
ただただ、ちょっと赤提灯で屋根を飾ってあるだけでね、別にあんな……。
こんなことには、なってなかったのですよ。
こんなことにはね、なってなかったのに。
こんな人だって、いなかったのに。
こんな人形もなかったのに、この人形が季節事に変わったりなんてしてなかったのに。
なんでこんなことに!!
まあ。
いいけど。
みんな楽しそうだから。
いいんだけど。
でも、何なんでしょうね、この感覚。
これが乙女心ってやつなのかしら。
それとも郷愁ってやつなのかしら。
それとも郷愁ってやつなのかしら。
私は、どっちでもないと思うわ。
さあ、皆さん。
もし山賊に行かれましたらば、あなたは必ず山賊焼きを頼むことになるでしょう。
結構、大きいですよ。
しかーし、1本をみんなで分けようなんて、そんなことは絶対に考えないでくださいよ。
1人1本が鉄則です。
大丈夫、食えるって。
もちろん、山賊むすびも忘れずに。
こちらも1人1個が鉄則です。
大丈夫、食えるって。
で、山賊焼きを食べ終わったら、お店の人に一声掛けましょう。
「袋ください。」 と。
何の袋か、わかりますか?
3つの袋と言えば、胃袋と、堪忍袋とおふくろさん。
この3つを大切にしておけば結婚生活は安泰かと思われますって、なんで嫁の方ばかり安泰に対して
この3つを大切にしておけば結婚生活は安泰かと思われますって、なんで嫁の方ばかり安泰に対して
労力を使わねばならんのだバカバカしい。
山賊での袋は、その、どの袋でも、玉袋でもなく。
鶏の骨を入れるビニール袋 なんですねえ、これが。
なぜそんなものを?
ンフッ、これはね。
各家庭で飼ってる犬へのお土産です。
いや、これはさすがに今もあるルールなのかどうかは定かではありませんが、昔はあったのです。
「袋ください。」ってお願いすると、お店の人が「はいはい。」って、慣れた手つきでビニール袋をくれるのです。
「袋ください。」とお店の人に言う係は、なぜか私に決まってました。
「コロにやるんじゃろうがね。」 と。
コロは、当時飼ってた犬の名なのですが。
まあ、コロにやるんじゃったら私が言うかねと。
人見知りな性格をおして、毎度お店の人にお願いしましたよ。
「袋ください。」
一度言いに行って、言い出せずに、もう1回行って、それで3回目くらいに、やっと。
お店の人に、若干鬱陶しがられたころに、やっと。
お店の人に、若干鬱陶しがられたころに、やっと。
そうです、私は扱いにくい子供でしたよ。
ちなみに、鶏の骨というのは、あまり犬にあげない方がいいらしいっすよ。
すんげぇ今更情報なんですけどね、私にとっては。
すんげぇ今更情報なんですけどね、私にとっては。
喉に骨が刺さって危ないそうです。
友達んちの犬が、えらいこと大手術してました。
お気を付けあそばせ。
友達んちの犬が、えらいこと大手術してました。
お気を付けあそばせ。
さあ、山賊の何たるかをおわかりいただけましたでしょうか。
きっとよくわからないことでしょう。
ええ、私にもよくわかりません!
あそこは一体、なんなんだ!
あそこは一体、なんなんだ!
何なんだと問われれば、「山賊だ」と答えるしかないのでしょうな。
でも、1つだけ忘れないでください。
そして、エコハちゃんが存在していたことを。
あ、2つですね。