秋の味覚で大戦争
わたしら、秋刀魚、好きでね。
イエーイ銀色!
ザ☆ギンイロ!
さあ焼くのです。
うまいのですっ。
……。
ていうか、焼くときに、いっっつも間違えるわけよ。
網に置く向きを、そこを、間違えるわけよ。
ほんで、その時間違えると、もう修正きかんわけよ。
やっちまったーと思いながらも、どうしようもできんわけよ。
でも、あまりにもいつも間違えるもんだから、わりと右頭でも食べられるようになってきたような気がせんでもないなんてことは、鬼ココだけの話なわけよ。
ってそんなことは、どうでもいいわけよ。
我々ぬけ夫婦、秋刀魚の食べ方は結構上手だと思いますよ。
肝がイヤって人もいるだろうけど、あれがいいのよねぇ~。
あそこを~。
尻尾近くの淡泊な白身の部分に、ちょいちょいっと乗っけて~。
たっぷりの大根おろしに~。
食うべし!
食うべし食うべし!
肝の苦みと秋刀魚の脂が相まって、そりゃもう絶妙のハーモニーですわよ。
その年最初の一口目なんて、ちょっと陶酔しちゃいますもの。
ほぅ…。
あれを食べてるとき、いつも思うんですよねぇ。
やっぱ、身をとって、肝を乗っけて、大根おろし乗っけて、ってやるのって、
ちょいと手間なわけですよ。
僕の私の、秋刀魚の黄金比率ってぇものがね、ありますからね。
私の比率は、大根おろし多めなんですよね、うん。
まぁ、そうやって、秋刀魚の黄金一口セットを作るわけですよ。
今、これを横取りされたら、と。
この、この、黄金の秋刀魚一口セット・けいよい版を、不埒なヤツが「イタダキッ!」って、ふざけてパクッといきやがった日にゃぁ。
私は、そいつを殴り倒すだろうなぁ、と。
あ、ちなみに殴り方は、ストリートファイターに出てくる木梨憲武考案キャラ
憲磨呂 (Norimaro) の殴り方ね。
で、床に叩き付けた後、ズボンを引っぺがして尻を出し、生尻に向かって思い切り、蹴りを2発入れるでしょう。
そして、大根おろしだの秋刀魚だのにまみれ小刻みに震えている、そいつを見下ろしながら言うのです。
「あんた……、やっていいことと悪い事が、あるじゃろうがね……っ!」
って。
このシーンは、きっと素でいけると思う。
きっと、そんなヤツには、私の、私のためだけの黄金一口秋刀魚を盗られてしまった、
私の悲しみなんて分かるはずもないのです。
どんな思いで、私が秋刀魚の白身に肝を乗っけたのか。
そしてその上にさらに大根おろしを乗せるときの、心の高揚が如何ほどのものか。
そんなヤツに、分かるわけがないのです。
ええ、そうなのです。
この日の夕食、ごはん・味噌汁・秋刀魚2匹・イカのわた煮・梨、ってもう、ほんと死ぬかと思った。
腹が割れるか思うた。
そう、貧ちゃんは烏賊もくれたのよ。
でも、それはまた別のお話…。
まぁとにかく。