乗り物酔い
私は、乗り物に乗ったとき進行方向窓ぎわを譲ってくれる人としか、友達になれない。
なぜなら、乗り物に酔いやすいからである。
学生時代の社会見学・修学旅行、そりゃぁ楽しくもあったが、試練でもあった。
確か小学校5年の社会見学までは、毎回、バスの中で吐いていた。
確か小学校5年の社会見学までは、毎回、バスの中で吐いていた。
幸い、そのことで「ゲゲゲのけいよい」などという、あだ名が付いたことはなかった。
おそらく、他にツッコミどころがあったのだろう。
おそらく、他にツッコミどころがあったのだろう。
あれは小学校2年の時だったか。
社会見学の行き先は、徳山動物園。
今でこそ、頭を抱えて悩むクマで有名な(知らない?)徳山動物園だが、まあ当時は…ふつーの動物園であり、近場では唯一の動物園であった。
つまりは、学校の友達とワイワイ行けるという以外、なんの特典もない行き先である。
なので私は、動物園より何より、当面の敵である「バス(の空気)」との戦いのことで頭はいっぱいだった。
隣に座る子に、頼み込んだ。
窓ぎわお願い、と。
その子は、いつもおさげを後ろで1つにしてくる、少し気の強い子だったが、とりあえず気持ち悪くなったら替わってくれるということで話がついた。
で。
私は、しばらくして、気持ち悪くなったので、替わってくれとお願いした。
が。
気持ち悪そうな私の顔を、冗談だと思ったのか、面白がっていたのか、ニコニコ笑いながら、彼女はなかなか席を替わってくれなかった。
んで。
私は、ぶちまけた。
ぶちまけた後、その席を替わってくれなかった彼女と目が合った。
おそらく私が無意識のうちに、うらめしそうに見ていたのだろう。
おそらく私が無意識のうちに、うらめしそうに見ていたのだろう。
一部始終を見ていた周りの人間から、鳥のさえずりのように、彼女への非難の声があがる。
彼女も、さすがに気まずそうな顔をしていた。
その顔を見て、私は思った。
ちょっとだけ。
ざまあみろって。
性格悪ぅぅぅい、わたしっ。
まあ…窓ぎわで風に当たってたらなんとかなったかもしれないし、ぶちまけたものの後始末は、そりゃぁめんどくさいものなので。
とんとん、ってとこだろう?
以上、乗り物酔いとわたくし、でした。