働くおじさん
そのサラリーマン 縞のネクタイを締め 金色の野に降り立つべし…
「で、彼は何してくれるの?」
「営業。」
失われし 顧客との 絆を結びィ……
おおぉ……
あっ、メーヴェが。
風だ。 風が戻ってきた。
またひとつ村が死んだ。
ブベベベベベベ。
こうやって菜の花に夕日が沈むのを眺めていたとき、ぬーが言ったのです。
「夕日の菜の花和えやな。」 と。
ほほぅと思った私は、続けて言ったのです。
「夕日の菜の花和え、トラクター包み……」
「~日の入を待つオジサンを添えて~ って感じかねえ。」 と。
「……添え物?」
「添え物。」
「添え物…。」
「あっ、添え物が帰ってゆく。」
「えっ、添え物、日の入待たないの?? 添え物なのにっ。」
「……ていうか、添え物ってヒドイね。私ら、ヒドイね。」
「ほんまやわ。」
でも、添え物にもいろいろありますからね。
彼だって、そんな添え物の中の強者かもしれないじゃないですか。
そのフレンチポテト見たときに、なんだこのバカみたいなのって思ったけれど、
それはそれ、これはこれ。
添え物だって、いろいろなんですよ、えぇえぇ。
「じゃあ、あれやな。」
「なんですか?」
「未来の巨匠に出てくるかもな。」
「と言いますと?」
「では、うちのタケシを紹介します。」
「ミウラタ○シです。よろしくお願いします。」
# ミウラくんの仕事は、おじさんの下ごしらえ。
『うわあ、この量かあ。』
『すごいですねえ。』
# おじさん1人1人の髪の毛を7:3分にして、さらに背中のホックを留めていくのである。
『うわー!』
『細かい作業……!』
# 1人1人微妙に違うおじさんたちを均等に身綺麗にするのは大変。中には、反抗的なおじさんも。
# でも、ミウラくんは。
「ちゃんと言えば聞いてくれるんで、やりがいはあります。」
# がんばれミウラくん。 巨匠と呼ばれるその日まで。
ジャンジャン♪ジャジャジャン♪
『じゃあ、ひと言、ミウラくんに。』
ほんと失敬だよね。
失敬なのはわかってんだけど、北海道のだだっ広い大地が、つい私達をそんな気にさせるわけよ。
そう、ここは北海道。
人の家のお父さんであろう人を、勝手に添え物呼ばわりする、失敬きわまりない夫婦。
北海道上陸の巻。
私らが失礼な夫婦だというのがバレバレだったのでしょうか。
この牛に。
この、本田圭佑そっくりな牛に、随分とメンチを切られてしまいました。
私が、「ぃよう!本田!」 なんて呼びかけたのが悪かったのでしょうかね。
でもね、あのね、本当に似てると思ったの。
本田と牛。
馬じゃないのよね。
馬じゃぁないのよ、そこ勘違いしがちだけどね?
牛なのよねェ。
もう、まんまなんじゃなかろうかとか思
いやあ、北海道は広いねえ。