けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

寄生、させていただきます。@20070607 14:15:18


再び奈良に行ってきた。

 

 

いやいや。
わかっております。
わかっておりますとも。


我がけいよい日記の、長すぎることの次に問題な点は、記事があまりにもタイムリーじゃないというところにあるんじゃないかと。

常日頃から思っておりますとも。

 


でも、気にせず続けます。







で、何しに行ったかというと、藤の花を見に行ったのだ。


盆藤展というのも、やっていた。

 

以前、盆梅展も見に行ったのだが。
どこぞで、盆桜展もやっているというのを耳にしたこともあるのだが。

 

しかしまさか、盆藤展まであるとは。

 

 

どこで…どんな風に、この「盆文化」は息づいているのだろうか…。
なかなかにエネルギーを必要とするような気がすんだが……。

 

例によって、盆の藤も見事だった。

 

一度、育ててる方にお会いしてみたくなる。
なんの盆でもいいからさぁ。




 

で、盆じゃない方の、藤。

 

なぜ、奈良で藤かっていうと、奈良にある春日大社がとにかく藤の花なのだ。
では、なぜ春日大社が藤の花なのか。
それは、春日大社藤原氏氏神様だから、ということになる。


ちなみに、長岡京に遷都した際に春日大社の分霊を祀ったのが、大原野神社
それの平安京版が、吉田神社

 

大原野神社には春日大社と同じ鹿みくじがあるが、吉田神社にはない、と一言だけ言っておこう。 一言だけ。一言だけ。一言だけ?

 

春日大社の神紋は藤。
藤原氏も、名前のとおり藤を家紋にしている。


これがねぇ。

非常~に面白いと、私は思う。


ツル植物で、大木に寄り添ってないと生きていけない藤。

それを、天皇家にまとわりつくことで生きながらえてきた藤原家が、自ら家紋としている、っていうのが。


そこまでデカイ顔をして寄生されたら、なんか太刀打ち出来ないモノを感じるではないか。



肩口をトントンと叩いて「あんた、そんな寄生しちゃぁあかんやろ」と一言言ったら、くるりと振り向く、その者達。

その振り向いた顔……私は、怖くて想像できない。




藤の生命力ときたら、末恐ろしいものがある。

 
森の中をふっと覗くと、そこかしこに紫色の房が見え。
姿も見えないのに何処からか花が落ちてくると思い見上げてみると、遙か上空にある大木の梢に藤の花がこぼれんばかりに咲いている。
 
他の木達には、一滴の日の光も与えないと心に決めているらしい。



……いや、藤の花にはそのつもりはないのかもしれない。


それでもやはり、朽ちた老木のそばで旬を迎えた花が、色気すら漂わせて咲いているのを見ると。

どうしても周りの生気を吸い取ってその花を咲かせているように思えてならない。


「え、日光当たってなかった? ごめ~ん。」と言いつつ、そこをどくことはない。

 


ここまで来ると、寄生していながら、むしろ爽やかさすら感じる。
そういうところが、本当に、心から、恐ろしいと思う。



友達にはなりたくないタイプだ。

いや、なりたいのだが。
友達になりたいっちゃなりたいのだが、そのためには、こちらも一端のものになっている必要があるだろう。





春日大社の本殿は、以前ぐりんさんと言ったときは気づかなかったのだが、実は、建物一帯をぐるりと藤で取り囲まれていた。

去年は気候の影響で遅咲きの花と早咲きの花が一斉に咲き、一面紫色のカーテンのようだったとか。


まさに、ココにおわす神の化身、と言ったところか。


だが、私には。
どーしても。


神社の結界を超えられず、見えない壁の向こうにざわざわと集まってきている魑魅魍魎……に…見…。





…いや。

これ以上言うのは、やめておこう。

 

ホントニコワイカラ…。







こんな、ひょろりとした蔓が。

 

 


こんな、ズ太い幹になる。

 

 


この画像の、奥の奥の奥~~の方に見えるあの横に伸びた木も、藤だ。




旦那が言う。
 
「絶対、この山の藤、全部つながってるで。」
 
私も、そう思う。

 

少なく見積もっても、3本。
百歩譲って、10本。

 

そう思わせる勢いが、ここの藤には、ある。

是非、DNA鑑定かなにかで、その辺を明らかにしてみてもらいたいのだが、どうだろう。
神の木に触ることは、許されないのだろうか。





都が京都に移って以降、都市としては眠らざるを得なかった、古都・奈良。
そのせいか、なんだか昔のいろんなものが、まだまだ生き残ってるような気がしてならない。


やはり、京都とは違う空気を、車の走る道路の脇を歩いているだけで感じてしまう。


いや、ほら…鹿とか。




だいたいの話がー。

町に鹿がいるってー。



おかしいだろ、やっぱり。

 




春日大社には「神苑」という植物園がありまして。

いろんな種類の藤の花や(↑八重咲の藤)、万葉集に出てくるありとあらゆる植物を見ることができます。


 
…寝ることもできます。


パンフレットには「寝ていいです。」とは書いてなかったことを付け加えておきます。
ご利用まことにありがとうございます。