抜く。
うちのお風呂は、ボイラーか太陽光線か、もしくは薪という3段活用可能なお風呂になっちょりました。
いつも、どこからともなく母が板きれを仕入れてきて、足で割って、足で割って、くべておりました。
もしかして、うちは貧乏だったのでしょうか。
当然の事ながら、怪我をした方の足は床に着けることはできません。
今、気付いたのですが、彼女の脚力は尋常じゃないのではないでしょうか。
そういえば、それ以降、あまり釜で風呂を沸かすことが無くなったような気も。
懲りたな。
まぁ、そこらで懲りたということは、彼女も人間だったのですね、フゥよかったぁ。
ちなみに、私も釜焚きすることありましたよ。
燃やしたいものが、あるときに。
私がやるわぁ、なんて自然に振る舞いながら、腹に燃やすべきものを仕込み、寒空のもとコロ(犬)と
一緒に釜に向かっておりました。
点数の悪いテストを燃やしてたのかって?
ふふふ、そんなものは存在しません事よ?
ココで言う「燃やすべきもの」、それは……
うちはねぇ、明星と平凡禁止の家だったのです。(ナニソレ)
でもコソコソ隠れて買って、読んでは燃やしていたのです、チェッカーズのところだけ切り取って。
切り取った物も、それはもう完璧に隠蔽しておりました。
それがどこかってぇとね、もう時効だし、まあ正直言いたくて仕方がないので聞いておくれ!
あのね、部屋の作りつけのタンスの、一番下の引き出しを、引っこ抜くわけですよ。
ソコです。
まず見つかることないですよ。
その証拠に、初めてあの場所を開けたときね。
私はそれを手に取り、東京に住む兄に思いを馳せました。
「お兄ちゃん…お兄ちゃんも苦労したんぢゃねぇ…。」 って…。
だからね、世の男性諸君。
私には少しだけ理解できると思うのです。
いやぁ、桃子ちゃん、エッチだったなぁ。
クギ流血の憂き目にあった、うちの母ですよ。
本当にね、かなり可哀想なことになっていたのです。
……。
どうしても浮上してしまう、うちの母親普通じゃねぇんじゃねえか説は置いておいてですね。
さてさて、この思い出があるせいなのでしょうか。
日本のアチラコチラで見かける、釘抜き地蔵、と呼ばれる古の神様。
…ほんとか?ホントにそんなにいるのか?
違ったのね。
……でもきっと、釘を踏んづけませんようにってお願いが、一番効くんだと思うわ。
それで、あの時の私の下痢には、あまり効果がなかったのですよね?
そう、ここへ行った途端、なんだか私は腹が下ったのですが。
長くなりそうなので、下痢の話は改めてさせていただきます。
つづく。