オベント☆インスピレーション
文句1つ言わず、当然のように作ってくれてました。
だって。
私には、鬼無理だもの。
「三日坊主」ならぬ、「一日けいよい」が、2回くらいあったっきりです。
海外じゃ、結構びっくりするようなお弁当?らしいですよ。
じゃあ、お昼ご飯にしましょう。
ハーーイ!!
人CARROT参。
日本には、こんな海苔まで登場しているというのに。
これの存在、ある意味、ザ☆日本やと思うね、うん。
うちの母も、いつも彩りとか気にして作ってくれてるようでした。
黄色がタマゴで、赤がトマトorウインナー、緑はキュウリとかキウイとか、って。
わぁ…。
中学校の時、箸の代わりに爪楊枝が入ってたことがありましたの。
いやね、箸バコ開けたら、お箸入ってなかった~んっ!ってこと、たまにあるじゃないですか。
だからねぇ、爪楊枝が入ってると、音はするわけよ。
だからねぇ、すっかり騙されたわけよ。
お昼に、さぁお弁当、って箸箱開けたら、爪楊枝一本が、
ぴっ
って入ってましたわよ。
前の晩、ケンカした日でしたよ。
それからは、必ず一度開けて確認するようになりましたっけね。
はたまた、高校の時は。
特にケンカしたわけでもない、普通の日常だったはずなのですが。
お昼に、さぁお弁当、ってお弁当箱開けたら。
声が、出ませんでした。
かなり戸惑いながら、一緒にお昼を食べてた友人達に、「ねぇ、これ……」って見せましたよ。
いやねぇ、私の中ではね、母は、なんちゅーか、怖いだけの存在でねぇ、そのころ。
いや、彼女が笑ってるところを見たことがない、ような。
面食らうとは、このことぞ。
しげしげとお弁当を見ながら、
「……こーゆー冗談をするタイプだとは思わんかったわ…。」
って、ぼそっと呟いたら、ときちゃんにゲラゲラ笑われましたわよ。
覚えてるかい、ときちゃんよ。
中学んときの同級生、たしか小西くんって子は、必ずご飯の上に卵焼きが2つ乗っけられていたそうです。
必ず。
必ず。
必ず、2つ。
で、ある日、誰かがそれを指摘。
弁当と思春期は、生物学的にデリケートになりやすいのかね。
とにかく小西くん、御母様に頼んだそうです。
「卵焼きをご飯の上に乗っけるのは、やめてくれ、母さん…!」
次の日から、ご飯の上の卵焼きは、1つになりました。
「そうじゃなくて、母さん…!」
聞いてるだけで、こんなにもどかしい話が他にあるでしょうか、いぃや無い。
同じ倶楽部に、ちょっと変わった男の子がいたのですがね。
可愛らしい変人ぶりだったので、みんなの人気者だったのですが。
で、残念に思いつつ、その変わりっぷりは忘れずにいようと心に誓っていた頃のことでした。
まぁ、その、変人名前忘れ君と高校が同じだったっていう子が、なんと私と同じクラスにいたのです。
変人名前忘れ君、ある日、ものすごい弁当を持ってきたそうです。
彼が、中身のことを承知の上で、このお弁当を持参したのかどうかは分かりません。
ですがコレ、いろんな意味で、ちょっとした血の惨劇と言って差し支えなかろう、と。
私は、思わずにはいられない。
いられないのです。
やはり、毎日弁当ってのは、本当に大変な作業なのだと思います。
だから、こんな伝説が、ポロポロリと生まれるのでしょう。
ポロポロリ弁当。