先日、画面を4ch(関西ではTBS系列)にしましたら、世間を鬼が渡り歩く例のドラマをやっておりました。
今回の問題、そう……ネタも尽き、既に一般的とは言い難くなっている問題に、またかと顔を曇らせる、ピンコ。
端から見ていても気の毒なほど、なんとも鬼だらけな彼女の人生に思いを馳せながら、私は言いました。
「いつまでやるつもりなんやろうなぁ、このドラマ。」
すると、自分の脇のニオイに顔を曇らせながら、ぬーが言いました。
「サザエさんが、終わるまで。」
わぁ……。
なんて、ネバーエンディングなストーリィ……。
どちらが勝つんでしょうね……壽賀子と、みどり。
まぁ、しばらく決着の付きそうもない戦いはともかく、山口ですよ、岩国ですよ。
私の生誕の地、岩国。
そこが大変なことになっているようなのです。
悪い奴らに、悪いことされちょるようなのです。
でも大丈夫。
岩国には。
岩国には…!
清流光神ハクジャオーがいるのです…!
悪の軍団相手に、一人、孤独に戦うハクジャオー! うんしょ。
ハクジャオー! こらしょ。
ハ…
腹っ、出とるやんけ…っ!
メタボやんかっ!!
絶対ハァハァ言うちょるじゃろうがね…!
いったい、いつのまにこんなものが。
どのくらい定着してるのかは知りませんが、この子のおかげで、ある程度推し量ることが出来ます。
この、真ん中にいるピンクの服着た女の子。
この子が、いい表情をしてますよね。
「ええーそんな盛り上がってないのに、みんな盛り上がってなかったのに、変なのぉ。」っていう、笑顔。
そうそう。
そうやって、空気読める人間に育つのだよ。
ハクジャオーも頑張れ!岩国頑張れ!
…泣いていいですか。
しかし、だ。
なぜ、町おこしにヒーローもの、ってなりがちなのだろうか。
どこかで大当たりしたから二番煎じで…というのがほとんどだとしても。
どっかで最初に大当たりした所があったのは事実。
では、それは何故当たったのか。
基本的に、この様な企画を立ち上げるのは、30代後半~40代前半の人とみる。
ご多分に漏れず、ハクジャオー製作委員会代表の河口久彦さんは、44歳。
このカシオミニを賭けてもいい。
つまり。
ヒーローに憧れ、自分がヒーローになる、もしくはヒーローに関わることを夢見た、子供達。
その子供達が、大人になった現在。
それなりに自由になる権限と金を手にした、現在。(←ココ重要)
彼らにやりたい事をやらすと、ああなる。
ということなのだろう。
そんな人間が津々浦々に存在するため、こうして全国に地方ヒーローが乱立するという結果が生まれた、と。
そして思いを同じくする仲間達が、そりゃもう大勢いる、と。
だから、当たった、と。
いや、あたしゃ別にそれが悪いとは言ってない。
むしろ理解できる世代だ。
まぁ、私らの世代は、実写版よりもアニメな世代だけどね。
私が思うに、これってもう、良い悪いなんて次元の話じゃないような気がするわけよ。
おそらく、この現象、地方ヒーローに限った話じゃないでしょう。
最近流行ってるモノなんて、我々が子供ん時に流行ったモノのリメイク版が、なんと多いことか。
ガンダムだ、ヤッターマンだ、デビルマンだ、キューティーハニーだ、キャシャーンだ。
逆に、リメイクされてないキャラクターが可哀想になってくる有様。
お願いだから皆、忘れないで!
私が大好きだった、ムテキングを…!
これらは商業的な理由が大きいのだろうね。
そりゃ、魅力的だもの。
そして、買おうと思えば手の出る、微妙~な価格設定にしてあるのだもの。
ターゲットになった世代は、ああいうのの宣伝見るたびに、
「あぁ、狙われてる!私たち、狙われてるわ!」
って、部屋の隅っこで小さくなるしか術はない。 あぁ怖い。
他にも、たくさんある。
歌にしたって、どこかで聞いたことがあると思ったらリメイク版だったなんて、ざらだし。
服の流行は繰り返すってのも、昔好きだったモノを今風にっていうコンセプトが絡んでるのでは?
こういうのって、どうも日本に顕著な気がする。
日本人って、子供の頃好きだったモノを、歳取っても手放さない傾向がある、と思うのだよね。
例えば、もんじゃ焼き。
あれって、昔は駄菓子屋さんで子供が食べるもんだった、って聞く。
確か、静岡のおでんも、そう。
今では、もんじゃも静岡おでんも、駄菓子屋のパーツではなく、独り立ちした存在だけど。
それが可能になったのは、やっぱり、それらを求める大人が誕生したから、なんだろう。
子供の頃、自分の周りに当然のようにあったもの。
それが目に止まると、ワァッと友達みんなで駆け寄っていったモノ。
たとえ大人になろうが爺婆になろうが、それと同じモノを見かけてしまったら、
ついフラフラと足を向けてしまう。
日本人は。
いくつになっても、「楽しむ」ということに貪欲で。
「懐かしい」という感情に、めっぽう弱い。
ような気がする。
子供っぽいと言われれば、それまでだ。
しかしそれが、日本の文化を形作る、重要かつ基礎的な要素になっているのは確かだろう。
読むと頭が悪くなる、なんて言われ、大人は読まないってことになってたマンガ。
そんな話すら、ひと昔前。
我々が七十・八十になるころには、当然のようにマンガを読む年寄りばかりになる筈。
そして。
その頃に出現してるであろう、得体の知れないナニカの使い方を、「まんが○○入門」で会得しようとしてるに違いない。
虫眼鏡、片手にね。
ほんでもって虫眼鏡を手にしたなら、黒い紙を見つけてきて。
太陽の光を集めてジリジリジリジリ…ってなことを、ついやっちゃうんだよ。
「あっ、ケロお婆ちゃん、また畳焦がして!もう!」なんて怒られちゃったりするんだよ。
間違いない。
アラいやだ、お久しぶり。
元気?