けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

モネの花がアイリス。

 
これ。
なんか妙でしょ。


ほんとは、こうなのです。

 

 
水面に映った、蓮。

 



この写真を見て、パッと思い浮かんだのが、モネの絵でした。

色の感じとか、似てません?


光が、一枚の布の上に、そうっと載せられているような。

いや、光の上に、一枚のベールが被せられているような。

 


モネは、光そのものを描きたかったんだそうです。


画家の千住何とかさんがNHKの番組で、そんなような話をされていたようなまぁ、

ずいぶんと昔の話ですが。

 


あの写真で、この話のことも思い出したのです。

そんでもって、あぁモネはこういうのを描きたかったのかなぁ、なんて思っちゃいました。



私、モネの絵、昔は、いっとう好きでした。

なんってったってモネ、って感じでした。

 

ええ。
他の画家のこと知りませんでした。(ただそれだけ)


そんな(どんなよ)私が今現在、モネの絵で一番好きなのは、睡蓮ではなく……これ。

 

 

 


黄色いアイリス。

 

フランスの国花なんだって。
王家の紋章もそうらしいねぇ。



私、この絵を一目見て気に入りました。

一目見たっつーても、絵ハガキだったんですがネ。
 
でもでも。


絵ハガキでも、この絵はキラッキラしてました。

本当に。
光り輝いているように見えたのです。



高知県はモネ美術館での出来事でした。

高知県に何故モネ美術館があるのか、そんなことは知りません。



 


光そのものをキャンパスに描きたかった、モネ。

 

でも光は、ゆらゆらゆらゆら、見るたんびにいつも違うから、あんな枚数の睡蓮の絵を描くことになったんだって。

 

なんとまぁ。
大変だこと。



ただでさえ大変なのに、もっと大変なことがモネの身に起こります。

白内障で視力が落ちてしまうのです。


それでもモネは、描き続けました。

その時の絵が、赤茶色の睡蓮の絵。

 


ほらほら。
光に向かって、目を閉じてみてくださいな。


こんな感じでしょう?

赤とも茶とも黒ともとれない、漠然とした……少し怖い、世界。



千住さんは、この絵について、こうも仰ってました。


光の見えない苦しさがそのまま表れている、と。
この絵は、モネの悲鳴に聞こえる、と。


だから、ちょっと、怖いのかな。


私はというと、画家の千住ナントカさんがこの説明をしてくれてる時、

テレビの前で目をむぎゅっと瞑って、

 

「おお!ほんまやほんまや!」
 
って、小騒ぎしておりました。
端から見たらバカだったでしょうね。ええそうでしょうね。






その後、モネの目は、手術のおかげだったかなんだかで、すこーしですけど視力が回復。

 

その時に描かれたのが、黄色いアイリスなのです。


千住さんも絶賛しておられたのですが、私が不思議だったのは、その時モネが描いた絵が、

アイリスだったこと。


行ったこともない遠い東の国の花を、あれだけ何枚も何枚も描き続けたモネが、ですよ。

残り少ない人生、残り少ない光の世界の中で描いた絵が、アイリスだったっていうのが。

 

なんともいえず、胸に響きました。



きっと彼が子供の頃から、特に意識することなく季節が巡れば咲いている、

そんな花だったんじゃなかろうか。

 
とか思ったり。
するのです。


日本で置き換えれば例えば……、たんぽぽ、すみれ、つゆくさ、オオイヌノフグリ、ぺんぺん草…。
なんか、そんな感じ?

 

あ、もうちょっと園芸風なのかしら、まぁいいや。

 

とにかく。




あれだけ睡蓮に魅せられたモネが最後に描いたのは、いつもすぐそばにあった花だった。

 

そう思うと、何だかとても嬉しい気持ちになったのです。
こういう感覚に国境はない、みたいなねぇ。
 
まぁ、そんなこというなら、家の緑を枯らすなよ って話なんですけれども。





あのモネのアイリスは、光に照らされて輝いています。


光は、太陽からもたらされるもの。

そして、あのキャンパスの世界では、太陽は、あの黄色いアイリスのためだけに存在するのです。
モネの大切な黄色い花を照らすためだけに。


その光は、どこまでも透明で、それでいて思わず微笑んでしまうくらい柔らかい。


あれだけの芸術家です、そりゃぁ凡人には分からない大変なことだらけだったのでしょうけれど。


モネの人生、けっこうイケてたんでないかい?と。


この絵を見て思いました。

そうして、なんだか、泣けてきたりして。





琵琶湖のほとりに、睡蓮ではありませんが、蓮の群生地なるものがあります。

 

滋賀県草津市、烏丸半島。
温泉の草津じゃないのよねぇ、これが。



 

7月の末には、これこのように、一面、蓮の花で満たされます。

 

かなり圧巻です。
そして、日差しもかなり圧巻でした。



ほんま、死ぬかと思うたよ。

じりじり、じゃなくて、じゅぅじゅぅ って感じでしたよ。
焼けるどころか、焦げるわい。



来年は、もっともっともっともっと朝早くに行ってやろうと思います。

 

これでも、朝5時半の始発に乗ったのよっ。
来年は、泊まりがけよっ、つーか始発が5時半って、つかえねーーーーーJR西日本つーかーえーねー。


東京の中央線が懐かしいわー。
4時台の電車あったもんね。


せっかく、日の出と共に蓮の花を拝みたかったってぇのに。


来年、誰か一緒に行くかい?

うむ、ぬーくん、そうか行きたいのだね、よぅし行こう行こう!
まぁそう遠慮せずに。





そういえばワタクシ、睡蓮と蓮の違いを、今年になってようやく認識いたしました。

漠然としか考えてなかったわ、今まで。


シャクヤクシャクナゲ以来の、「見ないものは見えない」第2弾ですなぁ。

 

ふんふん。
まだまだ、いっぱいありそうネ…。






あの黄色いアイリスの絵を見たい方は……ドコへ行けばよろしいのでしょう。

 

私も知らないのよね。

 

だれか教えて※1。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※1 個人蔵のようです。2019.10.31記
ご利用まことにありがとうございます。