けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

2日目。

 
 
 
 
 
 
 
2日目は、いわゆる三陸
三陸と歌津へ。
 
 
 

まずは、ここで復習。
リアス式海岸】とは。
 
山があれば、必ず谷があります。
山、谷、山、谷の繰り返し。
これが山地の基本。
 
そういう凹凸のある地形のところまで、海が来ている。
 
そんなイメージを持っていただけるとよいかと思われます。
 

ということで、こういう場所は。

 
 
 
 
 
 
まず、天然の良港ってやつになります。
谷の部分が海になるので、海が深いですからね、大きな船でも陸のすぐ近くまで入ってこれる。
だから、ほんとに小さな入り江にも町がある感じ。
 
そこには、海の幸、山の幸、両方ありますよ。
海で魚を捕り、山で山菜を採る、そんな生活。
 
 
そして。
 
 
 
 
 
 
必ず、ひと山越えなければ、次の町に行けない。
どうにかして道をつなげないと、必然的に陸の孤島

その、町と町の間は、基本的に山の中。
海がすぐそこにあるのですが、車で走っている分には、海が目に入ることは、まずない。
杉に覆われた風景が続き、林業もできるのかという程に、「山」です。
 
が、その山の向こうは、海。
その入り組んだ形が故に津波には弱いとされているのは、ご承知のとおりかと。
 

こういう場所に、あの津波が来た、ということになります。
 
 
 
 
 
三陸、歌津に行かせてもらった印象として。
 
 
 
 
 

 
仙台で見たものよりも、さらに状況が良くない、というのが正直なところです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
三陸は、小さな平地に身を寄せ合うように町があるので、津波の影響を「町」がダイレクトに受けてしまっていて。
津波の根こそぎ感が、本当に強い。
 
5、6メートルの高さがある鉄道も、津波にさらわれて、現在も止まったままです。
 
 
 
 
 
しかも、海の近くだけでなく。

周りの風景が完全に山の中でも、木が枯れていたりする。
 
 
 
 
 
 
 
木が枯れているということは、ここまで潮が来たということ。

信じられないくらい山の奥まで津波の痕跡があります。
 
ここで地震にあったとして、はたして津波のことに頭が行くかどうか。
 
 
 
 

そして、今現在の、この状況。
 
 
 
 
 
 
町を片付けようにも、場所がないから進まない。
町を作るとして、では、どこに作ればいいのか。
 
津波が来た場所をそのまま使うのは無理だろうし、何より。

地震による地盤沈下で、潮が満ちてくると、かなり広い範囲で冠水が起こる。
 
 
 
 
 
 
道も水没して、通行止め。
 
 
 
 
 

どこまでが陸で、どこまでが海なのか、その線引きすら、ままならない。
話には聞いていましたが、確かにこれでは、ここに建物をという話にはなり得ないでしょう。
 
比較的被害が少なかったという松島でも、潮が満ちる時間になると、駐車場が閉鎖されていました。
 
 
 
 
 

やはり交通のことも大きいと思います。

こうして道が途切れて、仮につなげたような場所が、たくさんありました。
つながったのは、いつ頃のことだったのか。
 
 
 
 
 

この電柱だってさ。
 
 
 
 
 
この日付は、ここに、この電柱が立った日なのか。
それとも、この電柱が作られた日なのか。
 
せめて前者であってほしいと思うけど、それでも1ヵ月電気がなかったということだし。
 
道がないと、こういうものも運べないわけで。
 
 
 

三陸地方の復旧・復興が、地形によってより難しくなっているということは、いろんなところで感じられました。
 
 
 
 
 

これが、2012年9月末の状況。
 
地震から1年半。
しつこいようですが、1年半です。
 
 
 
 

率直に私が思ったこと、その2は。
 
まだ、この状態なのか。
 
ということです。
 
 
 
もちろん、それだけの、尋常でない被害だったということだと思います。
もちろん、現場にいる人達は必死でやってこられたに違いありません。
 
ぬーも、だいぶましになっていると何度も言っていたし、それは確かにそうなのだろう。

が。
 

1年半経って、この状態だというのは、本当に、なんというか。
 

復興進んでるよね、だいぶ落ち着いたよね、とか思っていたのが、私の希望的観測でしかなく。
こっちが気分的に楽したいだけだったんだな、と。
 
痛感しました。
 
 
 
 
 
我が儘を言うようだけど、もう少し、現状を知る機会というのを作れないものだろうか。
 
こっちにいる状態で、ね。
現地の状況を、行かないと知ることができないというのは、あまりにも感覚的に遠すぎる。
 
まあ、いくらそういうものがあっても、実際に見るのとでは全然違うとは思うけれども。
 
 
でも今の雰囲気って、見るべきものを、なかったことにしている状態、のように思う。
 
 
 
 
復興は、これからの話。
まったくもって、これからの話。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これは、歌津 (アザラシのうたちゃんの歌津よ) にあった千羽鶴です。
 
すごく綺麗だった。
 
 
 
 
上にある、大きな黄色い折り鶴3つに。
 
 
「店あり」 「道あり」 ……
 
 

って書いてあったんですよ。
 
「田束山」 の、下のところね。
 
 
ああ、田束山ってそういうとこなのか、やってるってこと言わないと人が……なるほど、と思って。
 
で、最後の折り鶴に何て書いてるんだろうと目をこらしてみると。
 
 
 
「明日あり」
 
 
 
と書いてありました。
 
 
 

この田束山っていうところは、なんでもツツジが綺麗なところだそうです。
 
また、その頃に行ってみようと思います。
 
 
ご利用まことにありがとうございます。