1日目。
この白鳥君は、仙台空港の近くの海際で見かけました。
いつもここにいるのか、どこからか来ているのか、なんだか1人でね。
気になったので、またしても無理やり車を止めての撮影。
被害があった場所というのは、地図どおりではない場所というのが、まだまだ、いくらでもあって。
海岸線の工事をしているからか、海まで出ることはできず。
ここも地図上では道があるはずなんだけれども、今は、あったりなかったり。
ところどころに水が溜まっている、湿地帯のような状態。
で、白鳥君。
せっかくなのでと挨拶をしてみると、向こうから近づいてきてくれました。
おやおやと嬉しがってたら、白子(命名)は、おもむろに陸に上がってきてですね。
シャーッと威嚇をしてきました。
白鳥って、結構でかくて怖いのね。
思わず、目をガードする私。
若干残っていた野生で対応。
が。
まあ、そうだよねえ……と。
なに、ふらふら見に来てんだよ、と言われても仕方がない。
白子の威嚇で、改めてそこを確認させられたような気分になりました。
ちょいと有り難かった。
次来るときまで、元気でいておくれ、白子。
閖上 (ゆりあげ) 地区。
その名のとおりの、というか、その漢字どおりの場所。
仙台空港の辺りというのは、本当に長い海岸線になっていて。
そういう海岸線のところどころに港があって、町があるわけです。
その1つが、ここ。
人影は、まばら。
我々のように見に来ている人達も、何人かいる。
みんな言葉少なに、周りの風景を見て、考え込む。
そんな感じ。
以前は松林が海風から守ってくれていたのだろうが、その松の木がダメージを受けているからか、
とにかく風が強い。
高台の神社に上がると、尚更。
家の土台だけが残っている、こういう風景が続く。
それでも、こうして草が生えて緑になっているだけ気分的にだいぶマシだ、というのが、ぬーの言。
彼は仕事の関係上、被災前の姿も、直後の姿も知っているので、しみじみとそう思うのだろう。
私はというと、以前の姿を知らないばかりか、宮城県が初めての身。
ここに家がたくさんあったと言われても、この風景を前に、それを思い浮かべることが難しい。
ただただ、目の前の風景を頭に入れることしかできない。
だが、この後、石巻へ向かう高速で、事の何たるかがよくわかる光景を目にする。
この辺りを走る高速道路は盛土の上に造られていて、それが堤防代わりになって津波が止まった場所も
あるそうだ。
高速を走っていると、それが如実にわかった。
仙台から石巻へ行く、進行方向の右手が海側。
そこにあるのは、先ほどから見てきた、大きな瓦礫こそないものの、草が生い茂る中に何かしらダメージを受けた建物が点々とする風景。
転じて、左手に目をやると。
まさに、実りの秋。
ちょうど刈り入れ時だった。
ちょうど刈り入れ時だった。
当然、海側だって、こうだったはずなんだよ。
この差が、何よりも、ずっしりと来る。
こうなるまでに、1年半。
いつ頃、この段階に来たのだろう。