けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

アイアム 阿部ッキー。(その2)

 
 

 

         

 

さて、いかにも目的があるかのように、この辺りをウロウロし、何かしら確認しているベッキー




なーにをやっておるのかと見ていたら。
彼女はいきなり、どこからか随分と大きなクモを引きずってきました。



ベッキーとほぼ同じ大きさのクモですよ。



                
 
 
こっちのベッキーじゃなくて虫の方ですよ、もちろん。




クモは……動いては、いません。


死んでいるのかどうなのか。

とりあえず、ツヤツヤしております。

 

なんというか。




新鮮

           


そうな、クモ。



……。



で、そのフレッシュで、きっとヘルシーなクモを、ベッキーは口でくわえて移動させます。


後ろ向きで。

 
この画像は借り物なのですが、まさに、こんな感じ。
うににににににに。



             

 



で、途中で生えてる草が邪魔になったりするのです。

で、クモが草の上に引っかかってしまったりね、するのです。


あらら、後ろ向きだから見えないのかしら。

いや、ベッキーなら、あの草を避けて通るくらい、造作もないことのように思うのだが。

 


そう、なんというか、彼女はねえ、とても賢そうなのよ。


一見ウロウロしているだけのように見えて、それぞれの動きに、どうやら意味がある様子。

 

草の上に引っかかってるクモを見上げる、その仕草にすら、何かしら意志を、
そして感情すら感じるのです。




クモを見上げるベッキー


見上げるベッキー

 


ベッキー

 


べ……。





……ん?

 

もしかして、それ……クモ隠してる?




確かに、この辺りはアリだの何だの仰山いますから、持っていかれる可能性はありまくり。




えー。

 

草の上に、隠したの? ベッキー

 

えええええええ。




はたして、こんなちっこい虫に、そんな知恵があるのでしょうか。


ベッキーは、まだ草の上のクモを、じーっと見ております。

心なしか小首を傾げてるようにも見えたりなんかして。



          

 

あまりにもその状態で動かないもんだから。

 

やだあ「草の上のクモ」って、なんだか「坂の上の雲」みたーい、「風の中のあいつ」みたーい。
あ、渡辺徹の方ね。



とかとか、バカなことを考えていたらば。



なんと、やはりまだ生きていたのでしょうか、クモが!

クモがいきなり、ぽってりと草の上から落ちてしまいました!

 

びびる、ベッキー



          
 
 
びびって一歩下がったベッキーを、私は見逃しませんでしたよ!



そして、その落ちたクモを、また眺めるベッキー




……。


……。



考えております。

 

さてどうしたもんだか、と考えております、ベッキー




ここらで何だか、私は感動すら覚えましたよ。



知恵があるだけでなく、逡巡さえもするのか、と。

このちっこい虫が。



ほえ~~アナタすごいねえ、と言いながら、私はしゃがみました。

彼女を、もっと、しげしげと見るために。

 

 



そしたらね。

 

 

 

ベッキーが、クルッとこっちを向くではありませんか。





え。





目が合う。


むう。




とはいえ、いくらなんでも偶然だろうと思って、カメラを構えると。





羽を広げて威嚇される。





……それは、私向けデスカ?



カメラを降ろすと、ベッキーも威嚇をやめます。

が、こっちを見るのは、やめません。


おおぅ、私向け……完全に私への威嚇……。



同じ場所でも、立ってたら平気みたいなんですけどね。

その場にしゃがむと、ベッキーは私の方を向いて威嚇するのです。



いったい、何で判断してるんでしょう。
振動が違うのか、何なのか。

 

ぬーがレンズの光じゃないかと言うので、レンズを手で覆ってみても、やっぱり座るとダメみたいでね。

 

1メートル弱は離れていたと思うのですが、彼女の警戒域には、しっかり入っていたんでしょう。

 

その領域が、あまり3次元ではないのかもしれません。
 
私が立っていれば、私の顔の位置が警戒域の外になる、と。
ぬーなんて、私よりベッキーに近い位置にいたはずなのに、全無視でしたもんね。



となると、だ。

 

ベッキーは、人間の頭がどこにあるのかが、わかってるのだろうか。


つーか、そもそも、私のことを認識してるとは、まったく思ってなかったよ。




やあ、さぞかし鬱陶しかったでしょうね。

 

「なんかいるわー。鬱陶しいわー。って思うやんかー。」って感じだったのね、ごめんちゃい。



今度は私が、すごすごと一歩下がりました。


エーン。




 

まあ、そんな邪魔(=私。)が入ろうが入るまいが。
ベッキーは、大事な御用時をやり遂げなければならないのです、きっと。

 



ベッキーはひとしきり考えたのち、一回り大きな草を見つけて、そこにクモを隠すことにしたようです。


先ほどと同じように、後ろ向きで新しい草の場所まで行き、上手にクモを草に乗せ。

やっぱりそれを眺めるベッキー

今度は、心なしか満足そう。

 


が、実は、これからが彼女の本番でした。


よく見りゃ、すぐそこに何やら横穴が掘ってあります。

ベッキーよ、いつの間に。



あれが巣? なのかしら?


しかしその穴は、まだ不完全らしく、ベッキーは更なる掘りに勤しみ始めました。

 

掘っては砂を出し、掘っては砂を出し、そのうち、その砂の色が少し変わってきましたよ。
相当、深く掘っているようです。





……ふむ。







早く次の段階に行ってくんないかなー。 



                



こう言っちゃなんだけど、若干、暇……。
もう、暗くなるし……。




ああ、人間って、勝手。



 

でもさ、ここまで来ると、朧気ながらベッキーの「御用事」も、何となくわかったような
気がしたもんでね。





おそらく、今からベッキーは。

 

あのクモに卵を産み付けて、埋めるんだろうね。

 

             
画像の使い方が若干不適切でしたでしょうか。




というわけで、あのクモは、きっとたぶん死んではいない麻痺状態。



……。




わー。
どうりで、新鮮そうなはずーぅ。



知らないうちに、結構な弱肉強食が繰り広げられていたのね。

 

 
 
でも、待って。

 

 

 



その後、ベッキーは、どうなるの?




何となくだが、卵を産んだ成虫は……なイメージがあるのだが……?




えー。

 

ええーー。



邪魔者扱いを受けたとはいえ、せっかくのベッキーとのご縁だというのにーー。



神様ァァァァ……。



               





そんな我々の思いには目もくれず。

 

存分に掘り終えたベッキーは、隠してあったクモと共に穴へと消えていきました。

 

一度、隠し場所を間違えたような気もしたのですが、きっと気のせいでしょう。





さて、卵を産み終えたベッキーは、出てくるのでしょうか、出てこないのでしょうか。

 

彼女の運命や、いかに!





と、ここでタイムアップです。

 

もう、ええ加減、日が落ちて久しいんだわよ。

 

暗くなるのよ、恐いのよ。
さっきから、ぬーがピリピリしてんのよ。



だもんで、ベッキーが卵産み終えるのなんて、待ってられないのよ。






ベッキーの行く末は気になるところだったのですが、断腸の思いで我々は立ち去ることを
決意いたしました。




ベッキーや、ああ、ベッキーや……。

 

帰り道の車の中でも、何だか空気が重くてね……。
だって、ベッキーどうなっちゃうんだろうって、やっぱり気になって……。
厳しいよね、自然って厳しいよねって語りながら、爆睡して……。




ってまあ、どうやらベッキー、死ぬわけじゃないみたいですけどね。



ちょいと調べてみたところ、あの後、穴に蓋をして、また次の卵を産むために、どこかへ

旅立っている。 




はず



きっと今頃、箱石浜の隣の浜辺りをウロウロウロウロウロウロルオルロルしていることでしょう。



たまには飛んでるんだろうか、ベッキー



いや、羽あんのに、結局ウロウロウロウロウロウロルオルロルしてるところしか見なかったもんでね。








羽の色、きれいだよね。



               





でも、部屋には入ってこな(略)。
ご利用まことにありがとうございます。