ちなみに、そんなフィールドはない。
まるで、海を切り取ったかのような窓のある、
の、ある、
トイレ。
ええ、背筋も伸びるというものです。
このホテルは部屋全体がこんな感じでね。
これも部屋の中なんだけど、もう、分からんね、こうして見ると。
夕焼けも、もれなく付いてくる。
月影も付いてくる。
露天風呂も付いている。
とても良い。
で、そんな天国のような場所で何をするかというと、一言で言って、それはもう。
自堕落な生活よね。
これしかありません。
人間って、すごいね。
許されれば、どこまでも適当になれるもんなのね。
素っ裸でふらふらしてて、しばらくしてから気付きましたよ。
岩場に釣り人がいることに。
こっちから見えるということは、向こうからも見えてんのよね、きっとね。
5分くらい気付かずに、素っ裸でウロウロしちゃいまいたわよ。
でも、それすら、まぁええわ、と思っちゃう恐ろしさよ。
ハッハッハッハ。
何だろう、このホテルの使い方を間違えている気がする……。
こんなに素敵ホテルなのに……。
堕落したままでは何なので、お勉強をしましょう。
カラッパの勉強を。
カラッパとは何か。
物質Aと物質Bが同じ圧力でぶつかり合ったとき、その先端部分に現れる粒子状の
フィールドのことではなく。
こいつのことだ!
とも呼ばれる(私の中だけで)カニの仲間、その名が。
カラッパ上科 Calappoidea
カラッパ科 Calappidae
カラッパ属 Calappa
の。
カラッパ。
の。
あれは、トラフカラッパだね。
ほかにも、ヤマトカラッパとか、メガネカラッパとか、いますよ。
ここに、いっぱいいる……。
いやあ、何きっかけだったか、つい最近カラッパのことを知ってから、私の憧れ的存在だったのよねえ。
カラッパ。
今、テレビに安住アナ出てるけど、ごめん、今は断然カラッパだわ-。
中の人など、いません。
へえ、美味しいんだあ、とか思った人、違いますよ。
食べませんよ、愛でるんですよ!
信じられますか、あの見た目。
……カラッパとして、ね。
うん、いや、人間で、この輪郭になるのは、そりゃなかなか勇気がいることでしょうよ。
で、このカラッパに、すさみ町のエビとカニの水族館で初対面したんですよ!
満足。
私は満足。
……何回通ったら踊ってくれるンダロウカ。
うぅん、いいのよ。
いいんだけどね。