富士山力・くるり
とりあえず山を下りた我々。
そこでの富士山は、こんな感じ。
ここらまで来ると、富士山がほかの山とまったく別物だということが、本当によくわかります。
高さだけじゃないんだ、うん。
体積が違うんだ、うん。
富士山って、でかい。
いや、本当に今更なんですけど、本・当・に・そう思いましたよ。
パッと顔を上げた瞬間に見える景色の隙間が、富士山で埋まってることも多々。
子供のしつけとかに使えそうね、これ。
マツコが来るよ~。
そして、もっと驚いたのが。
富士山が、見る場所によって随分と違う姿をしてるものなんだということ。
こんなに違うとは思ってもみなかった。
あの肩のとこのアレの位置が変わっていくのもさることながら。
シルエットそのものも、道を進むに従って、どんどん変わっていくんですね。
いや、まったく知らない富士山の姿が次から次へと。
ここでもまた、富士山力の無さをひしひしと感じた次第です。
これは御殿場の辺りになるんでしょうかねえ。
この辺まで来ると、ぬーがしきりに言ってました。
「これ、ほんとに富士山か?」 と。
なんというか……富士山、ぽってりしてくるのよね。
うーんと。
例えて言いますと。
これ。
こんな感じなんですよね。
もしかして、同じ静岡県民でも、住む場所によって「僕の私の富士山」が随分と違ってたりするんでしょうか。
しかし、テンプレで「富士山の形」って、かなり強いもんがあるだろうしなあ。
ちっちゃい子とか、絵で見る富士山と実物の富士山が頭の中でつながらなかったりしないんだろうか。
いやもう。
やはり西日本の人間にとっては、意外性の塊です、富士山。
やはり西日本の人間にとっては、意外性の塊です、富士山。
知らないことばっかし。
そんな感じで、キスチョコの東ガ……いや、富士山の東側、終わり。
で、まあ……この辺で、何時くらいでしたかねえ。
私ら、この日、お昼何食べましたっけ。
わあ、ほんとに覚えてない、写真もなーい。
富士山に夢中で食べることを忘れていたのかしら、うん、そういうことにしよう、
そうしよう。
天気がにわかに悪くなってきたのは……。
というかまあ、最初から決して「良い」天気ではなかったんですけれども。
それでも何とか、富士山は顔を出してくれていました、ありがたや~ありがたや~。
この辺りは富士五湖がありますので、それぞれの湖をなめながらの富士山です。
思えば、この山中湖と河口湖の辺りが一番天気悪かったなあ。
河口湖のときなんて、なんかもう、雰囲気が嵐。
おおおおおお怒ってる、富士山が怒ってる、ほら、なんか昔やらかした傷跡があるし、ひぃぃぃぃぃぃ……。
と思ったら、アレが登山道なんですね?きっと。
つーか、ここドコだったんだろ。
湖沿いの道を走っていると、当然のことながらクネクネしているので、富士山も見えたり見えなかったり見えなかったり見えたり見……見え!見えな……見え!見……って感じになります。
あぁもう、いつ見えてくるかわからない、気の休まる暇もない!
そんな心配をしている、そこのアナタ。
大丈夫です。
富士山がきれいに見える辺りには、必ず。
民宿だったりホテルだったりが、ございます。
なので、何か建物が出てきたなーと思ったら、そこで振り向いて富士山を探せば良いのです。
いや、世の中、実に合理的ですな。
ま、裏を返せば、富士山が見えない辺りには何もない、ということでもあるのですが。
本当に、我々はお昼ご飯どうしたんでしょう、この日。
誰か教えて。
誰か教えて。
しかし、何もないということを更に裏返してみれば、だ。
静かないいところ、ということでもあるわけです。
この西湖ってところは、ほんといいところでしたよ。
湖が小さいので、湖面も静かですしねえ。
ほっとんど誰もいないし。
きれい。
すごく、きれい。
そして、この辺の富士山は、シュッとしとる。
マツコさんから、栗原とかいうモデルさんくらいになっとる。
昔、ぬーは、浮世絵の富士山を見て思っていたんだそうです。
「富士山、こんなに細くないやん。」 と。
が。
ま、浮世絵の富士山がどこからの眺めなのかって話もありますが。
……つーか、昔、この辺、どんな感じだったんでしょうね。
人、いたの?
よくよく考えたら、この辺って、樹海ってとこになるの?
そこら辺りで、ようやく気付く我々。
そら、自然も溢れるわな。
そういえば、河口湖とかでは、あんなに天気が悪かったのに、西湖辺りでは何とか落ち着いてくれてましたよ。
やっぱり、富士山周りは天気が変わりやすかったりするんでしょうか。
富士山を見に行って、やーん今日見えなーい、というときも、諦めずに移動してみるがいいと思います。
もしかしたら、どっかで見えるかもしれない。
富士山には、常に可能性があるのだよ。
それが富士山なのだよ。
こちらは精進湖。
手前に山があるので、子抱き富士。
こちらは本栖湖。
千円札ですねえ。
ほんとは、少し山を登ったところに千円札ポイントがあるらしいのですが、登らず。
あらかじめ登ることを知っていれば、私だって予定外に登ることなんてないんですよ。
えっへん。
で、ここは……どっか。
なんや、宿に向かうときに、きゅっと道を曲がって、眺め良かったから、えーと、みたいなところです。
この辺の富士山は、また一段とぺっぴんさんやと思うのです。
あれ。
そういえば、富士山って。
仏語とか伊語のとき、女性名詞、男性名詞、どっちになってるんだろうね。
いやあ、それにしても。
いえーい、富士山が、いっぱーい。
<終わらん>