我が父の遺伝子
先日の大地震。
実家は割と近場だったので、もしやと思い電話をしてみた。
「おう、どうしたんか。」
と、父が出る。
拍子抜けするくらい、いつも以上にいつも通りだ。
大丈夫かと聞いてみると、京太郎(犬)が鳴いたくらいで、特に何も無しとのこと。
そりゃ何より。
で、ひとしきり話をして電話を切ろうとすると、向こうがなかなか電話を切らない。
「?」
何かまだあるのかと思ったら、し~ばらくしてから電話が切れた。
こっちが切るのを待ってたらしい。
思わず笑ってしまった。
私も、そうだから。
どうも、あの、受話器のガチャガチャした音が嫌いで。
自分があんな音を立ててると思うと、ゾッとするので。
極力、相手が切ってから切るように…なってしまった。
例外は、ある。
マンションの勧誘と、同じ癖を持つ友人が1人。
(昔はマンションの勧誘もなかなか切れなくって、ほんとに困っ…)
その友人との電話は、じゃあ、またねー。と言い終わってからが大変。
どっちも切らずに、お互いがず~~~っとタイミングをはかるという不毛な時間が流れがちだったので、
彼女との電話の時だけは、こっちが切るようにしている。
もっとも最近は専らメールなので、そんな微妙な駆け引きも必要ないんだが。
受話器の音が嫌いになった原因は、おそらく母。
彼女の電話の切り方は、どこに出しても恥ずかしい、といった感じで、実にやかましい。
世代的に、そして生まれと育ち的に 「留守電にメッセージを吹き込む」 ことが、彼女にはとても難しい。
なので、ピーッという音の後にメッセージを入れる代わりに、一度受話器を落としたのかと思うほどの音が入っている。
「ンンッグラゲラゴラギャラガッシャッ…ン」 (←こんな音)
まあ、そのおかげで、メッセージがなくても彼女だということがわかって、良いと言えないこともない…。
が。
叱られて育った私としては、その音を聞くたびに、何だか怒られているような気分になって、すこぶる気分が悪いのだ。
そんなこんなで、自らの母を反面教師とし、「受話器の遅切り」 という技?を身につけた私。
と思ってたら、なんのことはない、実は父親の遺伝子だったのか。
瓢箪から遺伝子。棚から遺伝子。犬も歩けば遺伝子にあたる…。
ちょっと違うか。
…なんて、つらつら思った昼下がり。
なんだかんだで、あの二人と確実に血がつながっとるらしい…。
こういうもんなんでしょうねえ…。
春だわー。