引きこもり主婦

一日家から一歩も外に出ない主婦。

それが、引きこもり主婦だ、とテレビでやっていたのは、さて３、４年前だったか。
私が主婦になったばかりの頃だった。

私は、太陽が嫌い。
別に湿疹が出るわけでもないが、三度の飯より二度寝が好きだし、グータラに人生を掛けることもやぶさかではない。

そんなわけで、当然、よほどのことがない限り外に出ることはない。
東京に来て５年目になるが、未だに銀座と築地と東京駅の位置関係を把握していない。
なんか近いらしいね、くらいなもので。
青山が渋谷区なことを知ったのも、つい最近。

「一日家から一歩も外に出ない」
一年を１０とすると、７くらいはそんな日かもしれない。

しかし何だかテレビでは、それが由々しきことらしかった。

取材を受けていた「引きこもり主婦」さんは、確かＳＯＨＯをやっていて、家の外に出ることが滅多にないという。
宅急便が来ても、電話が鳴っても、対応しないこともしばしば、で。
外に出て人に会うのが嫌、みたいなことも言ってたかもしれない。

あら。

あたしだって、寝起きに宅急便が来たら、余裕で無視しますが。
電話が鳴っても、母親の小言が聞きたくないときは、余裕で無視しますが。
それで、特に何も困ることはないのですが。

などと思っていると、なんとテレビは彼女を心の病にした。

対人恐怖症、だそうな。

でも…対人する必要がないんなら、別にいいんじゃ…。

と思うんだが、テレビは許さない。
で、テレビは言う。

「引きこもり主婦の朝食は、トーストにジャムを塗っただけ、というような簡単な物である。」

おおぅ、何ということだ。

ちょうどそのとき私が左手に持っていたのが、トーストにジャムを塗っただけの簡単な朝食ではないか。

…悪いか？

イチゴジャムで悪いか？
これにミルクティーでも付ければ、許してくれるのか？

何で私は、小倉智昭に、朝ごはんにケチつけられなあかんのか。
ほっといてくれぃ、と思ってたら、何日か経った夕方。
追い打ちを掛けるように安藤優子と木村太郎にまで、全く同じケチをつけられた。

何のつもりだ、フジテレビよ。
それよりもＶＴＲの使い回し、やめたらどうだ？　とか思ったり。

とくダネを見る人と夕方のニュース見る人って、結構かぶってると思うんですけどねえ。
ぴったんこカンカンと金スマもひどいよねえ。

こっちが覚えてないとでも思ってるんだろうか。

言っておくが、記憶力には自信があるよ、私は。
学研の「科学」に出てきたキャラクター、宇宙人のチックンとシルクハットのタックン、覚えてるぞ。
絵も描けるぞ、…たぶん。
　
こんなの。

 

 

まあ、それはいいとして。

ちょっとおとなしいだけでしょ、その「引きこもり主婦」さん。

世の中いろんな人がいるんだから、いいじゃない別に。

人によって、ストレスを感じる対象なんて、まちまちでしょう。
なんにしたって、次の日ちょっと下痢すりゃ、それで終わるのよ。

神経の細い人追いつめるような内容垂れ流して、どうする。
あれを見て、ああ、私もダメなのかしら、とか思う人もいるかもしれないじゃないの。
流すだけ流しといて、反応が鈍けりゃ特にフォローもないし。

そんなこと言うなら、言っちゃうよ。

安藤優子、あんたのそのオールバックもどうかと思うぞー。

まあ、だからといって、明日から名古屋巻きにされても困るが。

うわぁ、想像しちゃった。

ひー。

などと思いつつ、時は経ち。

今日も私は、テレビを見るの。