一般的な世間での、菅という男の認識はというと。
西の人間にとっては、『吉本興業所属、ロザンのボケ担当。』
東の人間にとっては、『あれ誰?ああ、宇治原の相方らしいよ。』
2000年に東京に引越し、2006年に京都に戻ったばかりの人間にとっては。
『大阪ガスのCMにさも有名人っぽく出ている満面の偽笑をたたえたこの男は、誰?』
てな感じになるわけであります。
以前、私が関西で見ていたテレビの顔ぶれとは、基本的に随分違っていたのだけれども。
(ぜんじろう、いずこへ)
それにしても、この
大阪ガスのCMの男は誰だ、と激しく思ったのを覚えています。
大阪ガスと言えば、当然の事ながら関西有数の企業です。
そのCMに、断トツで見慣れない顔の男が、当然のように「フラッシュアップ!」とか
言ってるのです。
大阪ガスの社員か?とも思いましたが、それにしては妙にカメラ慣れしている。
そして何より、信用ならない、あの笑顔。
なんて怪しいやつ。
それが、私と菅ちゃんとの出会いでした。
もちろん、それ以降2人の仲に進展はありません。
特に好きでも嫌いでもありません。
普通です。
普通にプラスして、ちょっとフラッシュアップなだけです。
ただ。
ここ関西では、かなりの人気者なのですよ。
なんや、女にもモテルらしい。
(男にもモテるだろう。その筋の人に触りまくられとるに違いない。)
東京での知名度は、おそらく2%ぐらいでしょうかね。
そういえば、アメトークのイケメン芸人かなんかに出てましたよね。
そして、「……誰?」みたいな空気を、いつもの笑顔で吹き飛ばしてましたよね。
東京ではともかく、関西では、あそこにいても多分誰も文句言わ…な……いと思うよ、
うん。
それどころか、ノットオンリー女、バットオールソー老若男女から人気があると思われます。
「あ、菅ちゃん!」と、それはもう親しみを込めて街ゆく人に声を掛けられる存在です。
彼は、すべての人間に受け入れられる、笑顔という武器を持っているのです。
例え相手が、子供であろうと、外国人であろうと、犬であろうと、温水であろうと。
ちなみに相方宇治原は(そういえば彼は誰からも呼び捨て)、全ての人間の顔から微笑みを吸い取る、逆学歴コンプレックスの持ち主。
特に何もしていないのに、何故だか周りに一歩引かれ、いつもどこかで、ひっそりと傷ついています。
そんな宇治原を、あの笑顔で見守る菅ちゃん。
そういう立ち位置で、彼らはお仕事をしておられます。
みんなの人気者、菅ちゃん。
菅ちゃん、カワイイ!
菅ちゃん、大好き!
そんな感じなんですがね。
でも私は、あの人が怖くてねえ。
よく、「あ~♡笑ってるけど目が笑ってナーイ♡」なんて言いますけど。
彼は、そんなレベルじゃないですよ。
目も笑ってるけど、笑ってない。
腹抱えて笑っていても、口に手を突っ込んで中身をつるんっと出したら、その
五臓六腑はどっこも笑ってなんかいませんよ。
絶・対。
というか、あの人、ほんまに笑ったことあるんだろうか。
というか、あの人、ほんまに地球で生まれたんだろうか。
そう、私はね、菅ちゃんは地球外生物だと思うのです。
あれが仮の姿なのか、本来の姿なのかはわかりません。
しかし1つだけ確かなのは、彼自身がそれをちゃんと認識しているということです。
彼は、自分がほかの人間と違うことを知っている。
彼は、自分が宇宙人であることを知っている。
そしてペットを飼っている。
それが、宇治原。
まあ、とりあえず彼らのことを「菅ちゃん星人」とでもしておきましょうか。
菅ちゃん星人にはね、ペットを飼う風習があるんですよ、きっと。
それも、一家に一匹ではなくて、1人に一匹なのですよ。
彼らは、そのペットを、とてもとても大切にします。
おはようからおやすみまで、常にペットと一緒です。
だから5人家族の家だったりすると、非常に賑やかかと思いきや。
自分以外のペットには、基本無関心なので、家の中は静かです。
関心を持つこと自体が御法度、とでも言いましょうかね。
「家族」という単位の前に、「ペットと俺」という単位が、そこには歴然と存在します。
他人のペットに手を出そうものなら、そりゃもう。
そりゃぁもう、恐ろしいことになるのです。
どんなことになるのかというと……。
どんなことになるんでしょうねえ、私にもわかりません。
菅ちゃん星人に弱点があるとしたら……そうですね。
それはきっと、ネギ。
彼らは、ネギが苦手です。
いいじゃん、もう、ネギで。
では菅ちゃん星人が襲ってきたら、ネギをかざせばいいんですね、ですって?
いやいや、とんでもない。
彼らは、そんなことしませんよ。
菅ちゃん星人はね。
ただ、異質なだけなのです。
いかんせん、ここは地球なのでね。
異質にならざるを得ないのです。
でも、ただ、それだけ。
それだけなんです。
それが菅という男。
そうなんです。
そう、だから私も、菅ちゃんがとても怖いけれども、攻撃せずにそっとしておこうと思います。
というか、この写真、本気で怖いですね。
あ、ちなみに。
あの人はね。
ただの変態です。
それだけです。