けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

姫路城にて。

 
ほれ、姫路城は噂どおりに白うございましたよ。
 
 
 
天気がよろしかったせいか、本当に白く感じました。
 
あれだね、女優ライトと同じような効果なのね、きっと。
 
飛ばすんでしょ。
いろいろ飛ばすんでしょ、私、知ってる。
 
だからなのでしょうか、姫路城は、遠くから見れば遠くから見るほど、白い。
近付くと、当初の感動ほどには白くなくなってしまう。
 
という現象が見られました。
 
道の途中から見たのが、今思えば一番白かった。
 
 
姫路城の白さをお楽しみいただくためには、スタジオの安藤優子さんをお茶の間から見るくらいの距離感がちょうどいいようです。
まあ、二の丸からでも十分真っ白でしたけどね。
 
 
 
で、この白い白い、まるで安藤優子のような白鷺城の麓で我々ぬけ夫婦がした会話を、だ。
ちょいと記録しておきますよ。
  
話は数ヶ月ほど前にさかのぼりまして。 
 
ここのところ、今更ながら、なぜかは知りませんが、ぬーは最近、大河ドラマの官兵衛がお気に入り。
 
 
無かったことに…無かったことになっていやしませんか……。
 
 
私が適宜ゴロゴロしている横で、彼にしては何やら熱心にと言えるレベルで、ほぼ毎週見ております。
ただし、録画して必ず、というほどではない、全然なーい。 
 
ま、それはともかく。
すごいんですよ。
 
ハウスのさくさくした鶏の照り焼きを、この人が食べてたりするじゃないですか。
 
そうすると。
 
「お、長政や。」
 
なんて言うんですよ、ぬーが!
 
いやもう、あなたがこのレベルの芸能人を認識するなんて、有史以来初じゃないですか。
 
「芸能人音痴☆ぬ~!」とかいう連載漫画でもやればいいのにと思うほど芸能人に音痴な人間にしてみれば、これはもう快挙と言って差し支えないでしょう。
 
まあ、きっと名前は知らないでしょうけどね。
知っていたとしても、名前に「桃」が入ってる、くらいでしょうけどね。
 
 
そんな、ぬ-が、です。
シャンプーの宣伝でも見たのでしょうか。
 
「あの宮崎っていう人も、また大河でお姫さんやってるよなあ。」
 
とか言い始めたのです、姫路城で。
 
うん。
 
私は彼に、真実を伝えなければなりません。
たとえここが姫路城だとしても伝えるべきことは伝えなければなりません。
 
それが私の役目だからです。
 
あれが、あおいさんだと信じて疑っていない彼に、それを伝えるのは非常に胸の痛むことでしたが、私がやらねば誰がやる。
 
私は、ぬーに教えてあげましたよ。
 
「あれはね、宮崎あおいではなくて、に……」
 
 
 
「エーーーーーーッッ!」
 
 
 
よほどショックだったのでしょう、ぬーの叫びは私の言葉を遮りました。
 
「あ、あれが宮崎あおいじゃないんだったら、俺はもう…!」
 
耳を手で覆いながら、いやよいやよと首を振る、ぬー。 
 
 
いや、無理もない。
ぬーよ、あれは無理もない。
 
あれは、わからなくて当然だ。
あなたには酷というものだ。
 
そうだね、もっと早くに私が言っておくべきだったね、ごめんよ。
 
あなたが勘違いする前に、勘違いしそうな芸能人をピックアップして、勘違いしないよう、その識別方法を伝えておくのは私の仕事だったのに。
 
本当にごめんなさい。 
わっすれてたわ。
 
似てますよね。
あのお二人は。
 
ためしにグーグルで、「宮崎あおい」「二階堂ふみ」と画像検索してみると。
そこは、もはやクイズと化しておりました。
 
私でも危ういわ。
 
とはいえ、ぬーも、いつもと雰囲気が違うなあくらいは思っていたようです。
なので、女優さんはすごいなあ、と思っていたそうです。
 
 
そうですか。
 
 
たしかに宮崎あおいの可憐なイメージとはちょっと違ってましたかね。
いや、ちょっと違うっていうか、違う人なんですけどね。
 
まあ、この二階堂ふみさんは、いろーんな役をやる女優さんですからねえ、これからも、ぬーをいろんなところで驚かしてくれることでしょう、というか。
 
ぬーは、気が付かないかもしれない。
でも、そんなときは、これを思い出してほしい。
 
きっと大根が、あなたを助けてくれるから。
ええ、きっと。
 
その姿のどこかに大根を感じたら、それは二階堂さんよ。
覚えておきなさい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて、ゆかりの地で、ぬーのお勉強は続きます。
 
 
「あの人も気になるよなあ、三成。」
 
ほう。
 
「性格悪そうで。」
 
そうだねと、言っていいのか、どうなのか。
 
 
 
「あの嫌な感じが何とも……。」
 
そこで私は教えてあげましたとも。
相棒も大好き人間ぬーさんに、三成が、その映画版に出ていた人であることを。
 
「あれが?出てた?どこに?」
 
「うーんと、ほら、伊丹さんと不本意ながらツルんでた、アレ。」
 
「……!! おおおおお、あれかあ!」
 
そうそう、あれなんですよ。
 
「へえええええええ。」
 
ぬーの目が輝いております。
良かったねえ、良かったねえ。
また1つ賢くなったねえ。
 
「いやあ、わからんもんやなあ。とにかく、ああいう感じの人なわけね。」
  
そうだよと、言っていいのか、どうなのか。
 
 
でも、(でも?)いい俳優さんだと思いますよ、えぇえぇ。
 
 
「で、なんていう人なん?」
 
 
え?
 
 
 
……ナニガ?
 
 
 
「いや、だから、あの人の名前は?」
 
 
……。
 
……。
 
 
……。
 
 
 
 
ピーチチチ。
 
 
 
 
 
そんなもん。
 
 
 
 
たしか、ふつーーの、そして、なんだか画数の
少ない名前だったと思うよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
いやぁしかし、役者さんというのは難儀な職業ですね。
知名度が上がることが、いいことなのやら、悪いことなのやら。
 
 
それから数日後、ぬーは、テレビで一生懸命引っ越しのバイトをしている人を見て、
キラーンッ
としながら私を振り向き言いました。
 
「これは、あれやな。」
 
そうです、そのとおり。
アルバイトのCMで引っ越しバイトをしている彼は、三成その人でございます。
 
すばらしいっ。
  
そして、ぬーは続けて、こう言ったのです。
 
 
「いやあ、もう俺、こいつ大っ嫌いよ。」
 
 
 
わー。
 
 
しょうがないとはいえ。
 
しょうがない、とはいえ。
 
 
わー。 
 
 
 
 
本当に、役者さんというのは難儀な商売ですね……。
彼はバイトをがんばっていただけなのに……。
 
 
 
 
 
でもね、さっき気が付いたんですけど、これはこれで難儀ですよ。
 
 
私にはもう、赤いきつね緑のたぬきくらいの話にしか思えません。
 
 
まったくもって思えません。
中身は違うって言われても。
 
 
誰かボスケテ
私達夫婦をボスケテ
ご利用まことにありがとうございます。