けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

ネモフィラ

                  
 
むかしむかし、あるところに。
 
たった一人の女性を愛した男と
たった一人の男性を愛した女がおりました。

二人は永年愛をはぐくみ続け、とうとう結ばれました。
願いが叶ったのです。

ところが、結ばれた夜。

冥界の神によって、男は連れさられてしまいました。

男は、「もし、この恋が叶ったら、私は死んでもいい」 
そう、神に祈っていたのでした。

神は男の願いを叶えてやりましたが、
その誓いのことも忘れてはいなかったのです。

一人残された女は、必死で冥界の入り口まで追いかけました。
青白く燃える、地獄の入り口です。

泣きながら扉を叩き、男の名前を呼びますが、その扉は開くことなく
夫となった男にも、二度と会うことはできませんでした。


顔を覆い、泣き崩れる女。

その様子を見て、神は哀れに思い
彼女を一輪の花に変えてやりました。

 

その花の名前は、ネモフィラ
そう、この可憐な青い花のことです。

 

ギリシャ語で、森を愛する、という意味だとか。
この花には、こんなギリシャ神話があるのですね。

 

ネモフィラ自身が、森の妖精のような姿をしていますが、
こんな花が春に咲き乱れていたら、誰でもその森を愛さずにはいられないでしょう。

 

この花は、北アメリカ原産で、ヨーロッパに渡ったのは19世紀になってから。
きっと、綺麗で可愛らしい森がそこには………ぁ、北…北アメリカ原産…?



 

アメリカ…?

 

19世紀…?

 

ギリシャ神話…?

 

 




んじゃ、そりゃ。






ちょっとっ、見ないであげて!

 

               なかったことにしてあげて!

 

                          誰だ、こんなの言い出したの!






ちなみに花言葉は、「愛国心」。

 

 

 

アメリカらし~い。

 
ご利用まことにありがとうございます。