桜木花道
京都の東を流れる疎水際の散歩道。
なぜ「哲学の道」と呼ばれるのか、それは。
哲学者の西田幾多郎が思策に耽りながら歩いたという逸話から、名前が付けられたそうで。
この話を聞くたびに私は思います。
なんか有名な人ならしいですね。
でも私は知りません。
知りませんったら知りません。
でもきっと、西田さんは、私がそんなことを言ったって怒りはしないと思います。
だって哲学者だもん。
哲学者は他人に寛大でなくてはならない、きっとたぶん。
というわけで、ぐりんさんと小神と3人で哲学の道を花見です。
もう先々週のことになるんでしょうか?
時の経つのは早いですね。
時の経つのは早いですね。
……。
ぢつはですね。
ぐりんさんとは金曜日に約束してたんですけどね。
11時に百万遍って。
ちゃんと用意したんですよ?
日焼け止めをこれでもかっていうほど塗った上に化粧ガチガチにして。
日焼け止めをこれでもかっていうほど塗った上に化粧ガチガチにして。
さあ出るぞ、あらバスに間に合いそうだわ、私偉~い! って時になって。
鍵を無くしたことに気が付きまして。
さんざん探したあげくに、ぬーに電話しましたよ。
「何?」
「私、鍵どこにやったか知らん?」
「私、鍵どこにやったか知らん?」
知るわけがありませんよね、ええ、わかっております。
とにかく、ぐりんさんが家を出る前に連絡しなければ…と、メールだ電話だと一人で大騒ぎしましたよ。
ダクダクに脇汗を掻きましたよ。
ドタキャンをしたにもかかわらず、ぐりんさんは優しかったですとも。
そんでもって月曜日にしてくれましたよ、忙しいのに…アリガトゴザマス。
考えてみたら、ドタキャン初めてじゃないんだよね、ぐりんさんに対して。
前はね、なんか…前の晩に、私がブラシを踏んでね、なんかブラシが足の爪に思いっきり突き刺さってね、ほんで腫れ上がってね、ほんで出られなくなってね、って。
なにやってるんでしょうね、私。
ほんとにごめんなさいね、ぐりんさんっ。
引きこもりなんでね、基本慣れてないんですよ外出に。
そんなこんなで今現在、私が外に出る時は、裸の鍵一本背負いで外出しております。
…使いませんよ。
何だか今我が家には、あんなキーホルダーとかこんなキーホルダーとか、やたらめったらありますけどね。
あれらは使いませんよ、絶・対・に!
この日は哲学の道から南禅寺に抜けるという形で、琵琶湖疎水を歩き倒したことになりますが。
前の日は、松ヶ崎疎水と言われる京都の北に位置する疎水も、ねぇちゃんとぬーと3人で歩きました。
2日で疎水を制覇したことになるのかしらと思いきや、甘い甘い。
琵琶湖疎水って、こんなにあるのね。
これ全部疎水。
あんなに歩いたのに、ほんの一部でした、私が歩いたのは。
ふと思いついて、「よぅし今日は疎水を一巡りしてみよう!」なんてことした日にゃ、いつのまにか京都一周の勢いですよ。
よかったぁ、思いつかなくて。
なるほどねぇ、松ヶ崎疎水は堀川につながってるのねぇ。
堀川ってのは、あの一条戻り橋が架かってる、あそこですよ。
嫁入りの時に通ると離婚必至という、容赦ない橋、戻り橋。 あぁ。
ん? なに?
琵琶湖疎水って、何って? 那央さん?
琵琶湖疎水、略して「疎水」、というのはですね。
京都に水が少ないからって、琵琶湖から川を掘り掘りして、京都まで水を引っ張ってきたっていう、割と無茶なことして作られた川です。
まぁちょっとした運河にもなるんでしょうか。
途中には船を移動させるために使われていた線路(インクライン)なんかもあります。
そして、その疎水には必ずと言っていいほど桜が植えられているのです。
山科の疎水も、とてもとてもとてもとてもとても桜が綺麗です。
山科疎水の終点には洛東高校という学校がありまして。
美しく咲き誇る桜の向こうから、ブラバンの練習する音が聞こえてきたりなんかしてね。
いいなぁこんなとこに通えるの、羨ましいなぁって思ったんですが。
この人の出身校だそうです。
そして、この疎水が出来た時から、京都は水道水のマズイ町になったということなのでしょうかね?
そう、京都の水道水は琵琶湖の水です。
夏になると、蛇口から得も言われぬ芳香が漂うのは有名な話。
友人の弟が京都に来た際、歯磨きのあと慌ててウーロン茶を買いに走ったなんてこともありましたっけ。
耐えられなかったようです、京都の水道水が。
姉である友人が「麦茶ならあるよ?」と言ったにもかかわらず、ウーロン茶。
麦茶では洗い流せないナニカが、あったのでしょうねぇ、京都の水道水。
あ、でも、公園の水飲み場とかは、飲み放題ですよー、ちゃんと。
南国パパイヤ島と同じです。
疎水の水は、割と綺麗なんですけどねぇ…ほら。
なのに~♪
な~ぜ~♪
歯を食いしばりながら飲まなきゃならん水が、蛇口から出てくるのでしょうね。
まぁいいんですけどね。
まぁいいんですけどね。
ちなみに、京都に湧き出る水そのものは美味いと言われております。
だからこそ、淀の酒があったり、豆腐が有名だったりするわけで。
なんだかなぁ、なのですよ、京都の水って。
君も飲みに来ないか。
そんな京都の水を。
そんな京都の水を。
そうそう、忘れるところでした。
途中で寄った、「よーじやカフェ」。
この京アイス?とかいうのが、めちゃめちゃ美味かった。
びっくりしたよ。
びっくりしたよ。
バニラアイスに抹茶蜜がどろりとかかっていて、なんと白玉はココナッツ風味。
おまけにパラパラとふりかけてある、あのアラレが…合う…♡
おまけにパラパラとふりかけてある、あのアラレが…合う…♡
店員さんもお人形のように可愛らしい人いたしぃ。
いやぁ…よーじや魂恐るべし。
必食です。