けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

夢の続きは

 
 
ぬーは、寝汗をかくので、よく就寝中に水を飲ませたりします。
 
今日もなんだか寝室からフニフニとした声がしたので、水を持っていきました。

 
すると、ごくごくと飲んだ後で、ぽつりと話し始めました。
 
 
 
 
 
「いやあ……。」
 
 

うん?
 
 
 

「モルボルと戦ってて……。」
 
 
 
……。
 

それは、それは。
 
 
 
 
 
 
 
大変そうですね。
 
 
 
 
 
モルボルは、空からやってきたそうです。
モコモコとした黒い雲に乗って。
 
 
 
 
いやあ、嫌ですね。
これは、とても嫌ですね。
 
 
 
 
で、そのモルボルに対峙する、ぬー
 
 
 
達?
 
達って、誰?
 
 
 
「知らん。で、モルボルが来たんやけど、俺はモルボルに牛乳が効くっていうことを知っててやな。」
 
 

誰が仲間かも知らないのに、何故そんなことを知っている。
 
 
 
「で、俺がみんなに『牛乳や!牛乳をありったけ!』って叫んでやな。」
 
 
 
あんた、いつからそんな
キャラクターに?
 
 

何がツボって、そこがツボ。
私は、この時点で涙しながら笑いました。
ああ、苦しかった。
 
 
苦しむ私を横目に、ぬーが続けます。
 
 
「モルボルに牛乳が効くことは知ってたけど、どんなふうに効くかは知らんかったわけや、俺も。」
 
 

ほうほう、無駄に細かい設定ですな。
 

で。
 
ちょっとだけ、かけてみたそうです。
 
モルボルに牛乳を。
 
ぴゃっ って。
 
 
 
もう、目に浮かぶわけですよ、その姿が。
 
もう、絶対に腰が引けてるわけですよ。
 
あんっ って感じで、めっぽう格好悪いに決まってるんですよ。
 
 
 
 
ところがですよ。
 

その腰の引きとは関係なく、牛乳をかけられたモルボルは、しゅるしゅると溶けていったそうです。
 
 
牛乳で溶けた、コレ。
 
 
 
きっと臭いもすごいんでしょうね、床にこぼれた牛乳を拭いた雑巾的に、すごいんでしょうね。
 
 
 
で、モルボル1匹に対する牛乳の必要量、というのを把握したぬーは、仲間に伝えるのです。
 
 

『ちょっとでええぞー!』
 
 
 
 

らアナ
んなキャラターじゃ
です
 
 

見たことないですわよ、あなたが表立って大勢にリーダーシップをとる図っての見たことないですわよ。
裏でしょ、基本、裏でしょ。
 
 
 
 

まあ、それだけ非常事態だったんでしょうかね。
 
考えてみりゃ、そうですよね。
 
モルボルに対して、牛乳で戦わないといけないんですものね。
 
そりゃぁ大変だ。
 
 
 
 
大変だったけど、なんとかなったそうです。
 
 
 
 
家の牛乳で、あらかた退治して。」
 
 

本当にちょっとでよかったんですね、牛乳。
 
 
 
「で、廊下に出たら、ちっこいモルボルが奥の方にいて。」
 
 
ほう。
 

「それを、けいよいが見てて。」
 
 
おっと、わたくし登場。
 
 
 
たまに登場するようなのですが。

そのけいよいは、どんな姿で出てくるんでしょうね?
ちょいと興味がありますやんね。
 
 

「いや、覚えてない。」
 
 
 
……。
 
いや、服装とか、髪型とかさ。
 
 
 
「いや、覚えてない。」
 

……。
 
あ、そう。
 
 
 
で。
 
こんなにちっちゃい(手乗り)モルボルだったそうなので、おそらく少しばかりラブリーなのだと思われます。
 
 
 
 
 
 
で、それを見ている、けいよい。
 
ぬーは思ったそうです。
 
これは、助けたいんやな、と。
 
 
そう、けいよいは、小さきもの達にとっても優しい人物なのである。そういう人なのである。
ナウシカみたいなねー、そうなのよねぇェェ。
 
大変、気をよくいたしました、わたくし。
 
それで、それで?

 
 
 
「で、俺は、そのモルボルに牛乳をかけてやな。」
 
 

オイ。
 
わ、私の小さきもの達への思いは?
 
 
 

『こういうのは、先々危ないから、こうしておいた方がええんや。』
 
『それはわかってるけど……。』
 
 
 

って、私ら、誰やねん。
 
 
 
 
勝手にチンケな台詞、言わせんといてもらえますっ?
 
 
しかも何、そのオーソドックスな展開。

ハリウッド映画か。
最後キスシーンで終わりか、アルマゲドンか、ペッペッ。
 
 
 
 

そもそも、どっかの国と戦っていたそうです。
 
だとすると、モルボルは、その国から発射された生物兵器だったのでしょうか。

ヤダァ、怖ぁい。
 
 
 
 
「まあ、モルボルっていうほどではなかったんやけど。」
 
 
 
じゃあ、なんだったんだよ。
 
 
 
「わからん。」
 
 
 
おいっ。
いまさら根本を覆すのかよっ。
 
 

「とにかく、ものすごい戦いだった……。」
 
 

と言って、ふたたび、ぬーは眠りにつきました、やれやれ。
 
 
 
 
 
 
 
って、ちょっと。
 
 
 
寝るんかい。
 
 
 
結構、起きとったろうに。
 
私、起きてんのに。
 
 
 
ちょいとー。
 
ご利用まことにありがとうございます。