けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

扇風機で離婚、つづき

いや、驚きました。

そこにあった扇風機は、「あんた、まだいたの。」と思わず言っちゃうくらい、昔っからいる奴で。
私が家を出てもう10年近くたってて、そんな私が小学校の時にいたんですよ、そいつは。

当然のごとく羽根の色は、青。
かろうじて透明感はありました。

自分が古い時代の人間になりつつある、ということを実感せざるをえない時ってありませんか。

ダイヤル式の電話を知っている。
バタークリームから生クリームへの変遷をリアルタイムで知っている。
リンスをお湯で溶いていた時代を知っている。(私はヒロシと同世代)
そして、扇風機の羽根が青かった時代を知っている。
最近じゃ見ないもんね。

それはともかく、その、年代物の青い扇風機が、しっかり動いてました。
そう。
母親が、直したんです。
彼女は、人に対して要求過多な面がありますが、その分、自分でやっちゃえるんです。
だから余計にタチが悪い。

それはともかく、その、直った年代物の青い扇風機、動いちゃいるが、これがまた。
ギリギリなんですねえ、その動きが。
首を左右に振るのが彼にはとても大変なことらしく、どうしても小刻みに上下に揺れてしまいます。
見ていて気の毒なくらいです。
もう終わりにしてあげてもよかったんじゃないか、と、そう思いました。

いつ壊れてもおかしくなかった扇風機が、ごく自然な流れで壊れただけなのに。
私の父親は、母親の口から蕩々と流れ出てくる小言の川に、首までどっぷり浸かる羽目になりました。


そうして、浸かること3日目。
とうとう父親が切れました。珍しいんですよ、とても。
彼の言い分を聞いてみると、こうでした。
「いつまでも、いつまでも、しつこいんじゃ。」
おお。
その通りです。

するとなんと、母親の口が閉じたではありませんか。
案外人から非難されることに免疫がないことが判明、黙り込みます。

するとすると、父親が、もう一声。
「そんなん言うんじゃったら、いつでも別れるぞ。」
おお。
知りませんよ。

するとすると、黙り込んでた母親が。
「何馬鹿なこと、ゆうちょるんかね。」
おお。
それも、その通りです。

まあ父親の反撃が、そう長く続くわけもなく、扇風機で離婚の話は、これで終わりましたが。
同じような話が、ベルトや大福が原因で日々繰り広げられています。

後日、姉が母親に、もし離婚をするとして、どこに住むつもりか、と聞いたところ、
この家のローンをやりくりしたのは私だから私がここに住む、と言ったそうです。
彼女らしい、独特の判断です。


この夫婦。
これから先、どうなるんでしょうか。

どーにもならん、というのが、今のところの私の予想ですが…。

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