旦那のワキ
五月も半ばというのに寒い日が続きますが、やはり季節は巡るもので。
今年も、そんな季節がやってまいりました。
私の旦那は、ワキが臭います。
(マイルドに言おうと思ったんですが、これが精一杯。)
まあ、脇を閉じていれば分からない程度なので、日々の生活に支障が出るというわけではありません。
でも、下着は必ず袖が付いてないとダメだそうです。
私の洗濯の都合で、ノースリーブの下着で会社に行った日は、ちょっとスリリングなことになってしまったとか。
いや、申し訳ない。
暑い季節がやってくると、旦那の脇は「武器」になります。
ちょっと私が彼の薄くなった頭をひやかそうものなら、旦那のリーサルウェポンが炸裂。
両腕を頭の後ろに組み、「むぅ~んん」と言いながら、武器(脇)を全開にして襲ってきます。
臭いって、「痛い」時が、ありませんか。
本・当・に、ダメージを被ります。
「ごめんなさい。もう言いません、頭のことは。」
と謝っているのに、言い方が気に入らないのか、さらに襲ってきたりします。
そんなことをして遊んでいると、ある日旦那がポツリと、こんな事を言い始めました。
「ホンソメワケベラでも飼おうかな…。」
「…はい? へらを…なんだって?」
「ホンソメワケベラじゃなかったっけ。大きい魚をつんつんするやつ。」
「…ああ、お掃除してくれる魚? 魚を飼うの? なんで?」
日曜日の昼下がり。
別に、NHKで「生き物バンザイ」的な再放送を見ていたわけでもないのに、何をいきなり?と思いきや。
「ホンソメワケベラを飼って、脇の掃除をしてもらおうかな、と思って。」
ああ、なんということでしょう。
あんた…、あんた…、結構マジで気にしてたのね…!!
「あ、その魚を飼って、昼休みとかに『ふぅ~、お願いね』って脇上げて、つんつんしてもらうんだ、なるほどね。」
と、一応話に乗っかってあげて。
それでも何だか不憫だったので、頭を撫でてあげました。
旦那とは対照的に、私は全く汗をかかない人間であり、尚かつ、汗をかくようなことを極力しないための努力を日々怠らない人間です。
「けいよいは、代謝が悪いっていうより、代謝が 『無い』 よな。」
と羨ましげに、旦那が言います。
確かに、そうなんですが、良いことばかりではありません。
部活動などで、人と同じだけ練習しても、これっぽっちも汗をかかないので、
「真面目にやりぃね。(まじめにやりなさいよ。)」
と、先輩に怒られたりとか、ありました。
(ただ実際に真面目にやってたかどうかについては、悲しいかな「どうなんだろう」というところもありまして、一々反論をしたりなどは、したことはありません。)
まあ、体質というのは人それぞれ。
結局のところ、自分の体質とうまく付き合い、そして、自分の体質とうまく付き合ってる人と、うまく付き合っていくのがベストなのでしょう。
というか、それしかない。
先日旦那用にと、脇にシューってするやつを(我が家では『脇シュー』と呼ぶ)
買ってきました。
銀イオンが入ってるという、強力そうなやつを。
「買ってきたよ。」と言うと、「ありがと。」って言っていたにもかかわらず。
…使いやがらねえ。
なんでじゃいっ。
「石けんのにおい」なのが、あかんかったんかいっ。
600円相当が無駄になってしまいました。
誰か、いりませんか。