怖くねえ! ボス 「最後の審判」
(拡大してね)
ボス(ヒエロニムス・ボス)は、15世紀末に登場した、オランダの画家。
時代的には、ダ・ヴィンチと重なっており、1500年に世界の終わりが来ると信じられていた、殺伐とした世紀末だったらしい。
どう~せ死ぬんだから~ということなのか、政治も民衆の生活も腐敗しきっていたそうだ。
そんな時代、ボスは宗教団体の一員として(もちろんキリスト教系)、この荒れた様を何とかしようと思った。
で、悪いことすると、地獄に連れて行かれて、こーーーーんなことされちゃうんだよぅぅぅっ、ということを、こういった絵でアピールし、悪いことばかりしている民衆を、なんとか立ち直らせようとしたのだ。
が。
確かに、おどろおどろしさでいっぱいの、この絵。
よーく、目を凝らしてみてみると…。
こんなのが、いっぱいいる。
こいつ等は「グリロ」。
頭と足でできた、まあ、妖怪。
こわいこわい妖怪さんの筈なんだが、正直言って……可愛さ爆発。
ま、確かに、この人みたいに、人間バーベキューしてる人もいるけど。
蚊でもいるのか、携帯用ベープ持ってるやつもいるし。
この人に至っては、風呂上がりに縁側で涼んでるおじさんにしか見えない。
「おい、甚さん、腹から血ぃ出てるよっ。」
「ああ、こいつぁ、さっき女房と風呂の湯加減でやり合ってよ。刺されちまったぃ。」
「しょうがねえなぁ、甚さんはよぅ。」
ありそうな話だ。
本来なら、この絵は地獄絵図。
描かれているのは「阿鼻叫喚」な図の筈なんだが、どう見たって楽しそう。
いいとこ「酒池肉林」が精一杯で、 正直言って……怖くない!
たまごマン。
かつては、この絵を見て、ええっこんなのイヤっ、明日から改心します~、と肝に銘じるのが正しい見方だったのだろうが。
今となっては、各々で「僕の、私の お気に入りのグリロ!」を探すのが正しい楽しみ方なのではなかろうか。
さあ、あなたは、どれがお好み?
この絵を見たければ、オーストリアはウィーンへ。
ほんとに、ここ?っていうくらい落書きだらけの建物「美術アカデミー絵画館」で、すぐ側まで近寄って見れますよ。
ここには、こんなの売ってるし。
http://www.museumshop-yokohama.jp/liftingimage.htm
http://www.museumshop-yokohama.jp/liftingimage.htm
行ってらっしゃい。