花びらが幾重にも重なっている上に、花の大きさそのものが大きい。
なので、たくさん花が咲いている枝などは、その重さで少し困っているようにさえ見える。
「あれは八重桜。これから咲くんだよ。」
だんなに、そんな話をしていたら、こんなことを聞いてきた。
「花びら、ほんまに8枚なん?」
ふむ。
「いや、一重じゃなけりゃ、全部八重っていうよねぇ?」
ふぅん、と納得したような顔をする。
桜も色々種類があるんだな、と。
桜も色々種類があるんだな、と。
そうして、よう咲いとるなぁと桜を誉めながら、こんなことを言いだした。
「こいつは、犬で言うところの………チャウチャウやな。」
……。
せっかく桜が咲いているというのに。
すべてがまるで別物になってしまう一言だ。
だが。
だが、当たっている。
それが、悔しぃ。
旦那は他でも、よくこういうことを言う。
私が、この指輪いいねぇと眺めていると、「タコの足みたいやな。」とか言うのだ。
そうやって、私の購買意欲を削ぐわけだ。
色々バレていたりコントロールされているみたいで、なんか悔しいのだ。
ふん。
八重桜がチャウチャウだとすれば。
ソメイヨシノが柴犬で。
ソメイヨシノが柴犬で。
んで、八重シダレザクラはチワワのロングヘア。
……。
……私の花見が。
私の、花見がぁぁぁぁぁ……。