みかんえり美人
かれこれ2年になるのです。
……たぶん。
着付け教室に通うようになって。
通い始めた理由は、……日本人だから。
せめて自分で着られるようになりたいと思い、始めたことでした。
ネットで調べて、無料お試しコースがあるところを探して、今のところにしましたよ。
んで。
とりあえず、自分で着られるようにはなり。
人に着せる方法も……一応。
振袖の着せ方も……一応。
振袖の時の色々な結び方も……一応。
七五三用の着せ方も……一応。
……。
だんだん。
だんだん、ずれてきております。
自分で着られりゃ、それで良かったはずのに。
この夏に引っ越す予定なので、コースの最後まで通えそうにないのですが。
途中でやめる、ということが……。
途中でやめる、ということが……。
非常に難しそうですよ、どうしましょう。
目下のところ、私が全エネルギーを傾けるべきことがらは、「やめます」と先生に言うことです。
あぁあ。
今回、「創作結び」ということで、自分で振袖用の結び方を考えてこいと言われ……。
言われるがままに、あっちを三つ山にして、こっちを二つ半折りにして、ここを文庫のように下げて…とできあがったのが、これ。
結構、可愛いじゃないか、楽しいじゃないか。
名前を決めなきゃならんのですが、なんか良いのないですかね?
お太鼓の部分を、お太鼓作らずに垂らしてるので。
たっらーんってことで、「藤結び」なんてのを考えていたのですが、季節も季節だし。
でも、既にそんな名前の結び方がありそうだなぁと思っていましたらば。
習ったものの中にあったわ……。
帯締めの結び方だけどあったわ……ちっ、却下だな。
帯締めの結び方だけどあったわ……ちっ、却下だな。
んじゃぁ、藤……藤垂らし? ええっ、なんかカッコ悪っ!
藤……藤つながりで……亀戸……やめよう。
うーん、形がキャンディーみたいだから……飴玉?
桜の名前にあったなぁ、飴玉、じゃぁついでに……ホタテ?ついでにホタテって何?
……。
何か良いの、ないですかね?
そんなことより、この2年間、ずーーーっと気になってたことがあるんですよねー。
教室に、忘れ物を入れる箱があるのです。
「忘れ物箱」が。
それに、黒い油性のマジックで、大きく太い字で、こう書いてあるんです。
「忘すれ物」
って。
「す」が……「す」が気になったまま、かれこれ2年。
…黙ってていいよね?