けいよい日記

キングオブ暇な私の、心の琴線

金木犀のかほり

 

この季節。

 

ちょうど私の誕生日を祝ってくれるかのように香ってくる金木犀
いいや、祝ってくれているに違いない。

 

金木犀の木が、それも少し大きめの木が一本もあれば、街中がこの花の香りに包まれる、ような気がする。

 

それくらい、なんというか、包容力のある香りだと思う。

 

とても好きだ。

 

 

が、やはり人工的なキンモクセイの香りは好きになれない。
あれはお世辞にも良い香りとは言えないと思うし、なにより。
 
金木犀の香りじゃねぇよ。

と思うものもチラホラ。



人間が何でも作れると思ったら大間違いだ。



人工キンモクセイが好きになれないのは、こんな思い出のせいかもしれない。




その昔、私はキンモクセイの香りのするボールペンを持っていた。
匂い付きボールペンは、当時クラスの最先端。
誕生日、ピアノの先生にそれを買ってもらった私は、喜び勇んで日記を付けることにした。
そのボールペンで。

 

匂いがする上に蛍光オレンジ色な日記が、山口銀行でもらったメモ帳に綴られていく。

 

それを見た母親は言った。

 

「日記を付けるのはいいけど、普通のボールペンにしなさい。」

 

私は、せっかく素敵なボールペンで素敵な時間をすごしていたのに、なんだか全てが台無しになったような気がした。

 

ということで、日記を付けるのをやめた。
3日目くらいのことであったか。

 

 

うちの母親は、人のやる気を、いや、私のやる気をそぐ名人である。




その昔、私が多少なりとも純粋な心を残していた頃。
母親の誕生日に、私は 「お手紙」 を書いた。

 

いつもありがとう…。
秋ですね。私は季節の中で秋が一番好きです。
お母さんはいつが好きですか。

 

なんて内容だったように記憶している。

 

彼女は喜んでくれた。
ありがとう、と。

 

で、次に、こんな事を言った。

 

「でも、本当に○○ちゃん(私)が書いた手紙が欲しかったな。」

 

最初は意味がわからなかったが、どうも姉にレクチャーされつつ書いたと思ったらしい。

 


まぁ、私の文章が長けていたのだから、仕方のない事なのかもしれないけれど?


何故、そこまで私を疑う?



そういえば、私が幼稚園だったとき、習字で「ゆ」という文字を割と綺麗に書けたので見せに行ったときも、あなた信じなかったよね?
あれは正直、びっくりしたよ。
何この人?って思ったよ。

そういえば、分数の足し算が出来ないからって、鼻血が出るまで叩かれた上に家の外に出されたっけなぁ。

 



まぁ、そんな感じで大きくなりました。




 

34歳けいよい、ココに記す。









いいえ、私の母親は極悪非道であったわけではありません。
誕生日には必ず誕生日会を開いてくれましたし。
あれ、今にして思えばメチャメチャ大変だったろうと思います。

 

そんな風に、いろいろしてもらったにもかかわらず。
感謝が出来ない、というのも悲しいことです。
 
と、姉としみじみ話し合ったこともありました。

 

しかしまぁ。
そういう親子もいるのです。

 

それはそれで親子。

 

そう思っております。







………よく考えたら、キンモクセイ日記の話、一番最初の記事で書いていた。
 
 
 
ここらが限界なのか、限界なのか、けいよい日記…!
ご利用まことにありがとうございます。