鞍馬。
京都の東の奥にある、ホラあの牛若丸が幼少期を過ごしたということになってる、あそこです。
天狗が住んでるという、少し魔界めいた場所。
叡山電車というローカル線に30分ほど揺られているだけで、このちょっとした
異世界に行けますよ。
この地の中心はもちろん、鞍馬寺。
鞍馬寺の、本来
狛犬が鎮座しているところには、何故だか虎が座っておられます。
なので、密かに阪神ファンの心のふる里になったりはしておりません、ご注意を。
なりました、そう、予定外。
いや、7日とかー8日とかー、それくらいに行くのかなぁと予定には入っていたのです。
これをゲットするために。
にゃぁ。
狛犬ならぬ狛寅がいるだけあって、虎は特別なんですね、ここ。
その年の初めての寅の日に、初寅大祭というものがあって、その時だけ「あうんの虎」をくれるのです。
昨年、このことを本で見知った私の目はもちろん、キラリーン☆と光りましたとも。
が。
寅の日って、いつね?
わたくしは、暦というものから遠ざかってる現代人。
ちょっとねぇ、それがいつのことなのか、パッとは分からないでしょう?
「毎年違う」ということしか分からないわけですよ。
なのでまぁ、年明けて1週間の間の、どっかかなぁ~くらいに思っていたのです。
んで、2日に。
「おおそういえば、虎。」
と思い出し調べてみるも、情報がない。ないないなーい。
ニャァァァァァッ と鳴きながら、必死で検索。
しまいには検索キーワードの核の筈の「鞍馬」を捨て、
単純に「2008」「初寅」で調べて出てきた日にちが。
1月3日。
今日何日? 2日。
……。
け 「明日、鞍馬に行きます。」
ぬ 「えー。(背中で)」
あっぶねぇ、あぶねぇ…。
危うく来年に持ち越しそうになりましたわよ。
そんなわけで、今年も上賀茂神社に初詣に行くつもりだったのですが、急遽、鞍馬寺にお初に詣でることになったのです。
えぇ…前置きが長くなりましたが…コホン。
鞍馬寺、私は10年以上ぶりでした。
それも、その時は
貴船側から山伝いに入る、という非
正規ルートで行ったもんだから。
(オススメしません。山越えですよ。)
いざ正規ルートで鞍馬寺の山門をくぐっても、まったくもって記憶が甦らないのです。
あれは全部夢だったのか…と不安になってしまうほど、まったく。
まず、ケーブルカーがあるなんてまったく覚えていませんでした。
なんだか案内板を見る限りじゃ、上までは結構なつづら折りの山道のようなのですよ。
お年寄り達のために、作ったんですかねぇ。
…まぁお年寄りじゃないけど、乗りましょうよ、と駅に入ると。
わぁ、30分待ちをモノともせず待ちわびておられる、ご年配の方々の山。
しょうがねぇ歩くか、と外に出てみると。
……。
何、この勾配。
イヤ。
イヤです…。
ところどころで、由岐神社がありますよ、魔王の滝がありますよーと言われても、キツイ行程に変わりはなく。
まぁ、天狗みくじは、しっかりやらせてもろうたけれども、変わりはなく。
相手が神様じゃなければ悪態のひとつでもつきたくなるような立て札を横目に。
最後の一踏ん張りを終えると、やっと上に到着しました。
今年も我々は、予定外に山を登りがちな夫婦でゴーなようです。
たいへん、不本意。
このような精進ののち、いただきましたよ「あうんの虎」。
きっと御利益があることでしょう。
莫大な。
それはもう莫大な、
毘沙門天の無量の大福(だいふく)を授かることができるはず。
なんか、とにかく毘沙門天は虎みたいですね。
鞍馬寺のご本尊は毘沙門天で、そして虎で天狗で魔王で金星なのです。
何故だか、少し宇宙や科学を感じるのです。
……なんででしょうね。
数ある京都の寺社仏閣の中でも、ちょいと毛色が違うということだけは確かなようです。
そして帰りの
叡山電車を待つ間に、私の目に飛び込んできたのが、このポスター。
……!!
別に今日じゃなくても、よかったじゃーん……じゃーんじゃーんじゃーん…。
さっ、ありがちなオチがついたところで。
いい汗かきかき、うまい空気を吸い吸い、私の詠んだ2008年最初の川柳は、こちら。
ちなみに初夢は、「留袖を着た鳩の列」でした。
その中に、文金高島田の花嫁さんもいたような気がするのですが、今年誰か結婚するんデスカ?
もしそうなら、おめでとうおめでとう。
あ、降りるときは、ケーブルカーに乗ってみましたよ。
正味1分程度の行程でしたが、駅がレトロでええ感じ。