じゃあ好きになってみようか。
イモムシだって。
恋もする。
いいじゃないか。
これはね、ミニスキュル(minuscule)っていう、フランスのアニメ番組ですよ。
これが秀逸でねえ。
つい感情移入しちゃう内容なんです、どれもこれも。
あのピタゴラスイッチと、同格のレベルだと言って差し支えないでしょう。
1話は、せいぜい5分程度。
その5分で繰り広げられる虫番組は、ほのぼの系あり、イソップ系あり、オイコラ系あり、
バトル系あり。
本当に、いろいろな話が、フランスの素敵な田舎町で繰り広げられているのです。
住みたい。
登場人……虫物も、いろいろですよ。
結構リアルなんだけど、でもなんか可愛い、そういう……虫ども。
いろいろいますが、主な主人公は彼です。
ハエ。
名前は……。
ハエ。
彼らをキャラクター化するつもりはないようですね、この番組。
その辺りは、ちょいと今までのものと毛色が違うかも。
それから、冒頭のイモムシも、ちょいちょい出てきますよ。
アゲハ系イモムシも出てきます。
どちらのイモムシも、つぶらな瞳が堪りません。
ほかにも、テントウムシ。
アリ。
バッタ等々。
虫でベストなサッカーチームを作れと言われて集めた感じのラインナップが揃っております。
さあ、そして。
満を持してご紹介しましょう。
クモ達。
名前は……クモ。
なぜかクモは、2種類出てきます。
ま、日本でも、大きいのと小さいのと、いますやね。
そんな感じで思っていただいてよろしいです。
このクモ達が、基本、ハエのライバルになります。
平たく言うと、トムとジェリー。
「トムとジェリーの虫版」といえば、瞬時にイメージしてもらえるでしょう。
どっちがどっちなんだと言えば、ハエがジェリーで、クモがトム。
小さいハエは、小回りも利けば機転も利く、実にやっかいなやつなのです。
クモを小バカにしては、クックックッと笑うのです、キーッ!
で、クモはというと、これが。
これが、哀しいほどネジの取れた感じでね。
いや、小さい方のクモは、まだハエと戦う余地があるのですが。
まあ~、大きい方のはねえ。
見ていただけるとわかると思いますが……。
抜けている。
ぼけている。
欠けている……!
思考も動きも、ハエに追いついたところを見たことがありません。
そんな大きいクモに。
私は、釘付けです。
釘付けなので、勝手に 石松 という名を付けて、彼を愛でております。
ラブリー♡
石松は、いつもいつも、ハエにやられます。
ハエに立ち向かっていくのですが、ってまあ、早い話が食べようとするんですがね、ハエを。
でも、大体、壁だのコップだのに、ペシャッと貼り付いて終わりです。
それだけならまだしも。
石松はよく、本当によく、何かに巻き込まれます。
ミスターとばっちりと どこかの国で呼ばれていても不思議ではありません。
彼はね、この後、せっかくこしらえた巣を、壊されるんですよ。
ただ、そこにいただけなのに。
そして。
彼はね、この後も、せっかくこしらえた巣を、壊されるんですよ。
っていうか、いつも、壊されるんですよ。
おもしろすぎ かわいそうでしょ、石松!
私の一押し、石松!
ますだおかだで言うと、石松は紛れもなく、おかだ。
この仁丹みたいな目を見てやっておくんなまし。
石松、君は悲しんでいるのかい?
それとも怒っているのかい?
それとも何も考えていやしないのかい……?
今、NHKのBSでやってんのかな。
確か4月から地上波でもやるはずです。
ヨウツベにも、わりとありますよ。
しかし、私が一番気に入っているハエと石松のバトルがないのが、実に残念です。
あんなに素敵なのに。
どうにもこうにも、文章ではお伝えできなくてね。
どうにもこうにも、文章ではお伝えできなくてね。
ぬーにも、こうこう、こういう番組があって、ハエがこうしてクモがこうなって、それでお風呂の水が、そしてアヒルが……と説明したりもしたんですよ。
でも、まったく、あの良さを伝えることができませんでした。
ああもう、あの系統の、ああいう、あの空気というのは、どうして、ああも人に伝えるのが難しいのかしら、ああもう。
というわけで、見ていただくのが一番早いと思われます。
でもまあ、あれだね。
イモムシだって恋をするとはいえ、これは、あり得ないね。
あたしゃ、これは認めないよ。
認められるか、こんなもの。
あんなやつ、地球には、いなーーいっ!