ピンク色について。
ぬーからメールが来たんですよ。
「ピンクの電話がいた。」
ぬーは出張が多いのでよく新幹線に乗るのですが、ちょいちょい芸能人に出くわすようです。
以前、ノンスタイルの細くて白くて、不細工なのに格好いいと勘違いしているというのをネタにしている方じゃない方と隣の席になったこともあったそうですよ。
まったくオーラがなかったそうです。
そう、ぬーは基本的に芸能に疎い人なので、きっと気付いてないことも多いんでしょうね。
もしかしたら、もっとすれ違っているのかもしれませんが、よほどの人でないと、ぬーには判別不能。
そんな、ぬーなのに。
「よくわかったね。」
ピンクの電話なんてよくわかったなあ、と思ったのです。
だって、その辺のスーパーにいそうだもの。
いかにも、お豆腐とか買ってそうだもの。
なんでわかったんだろうと思ったのです、すると。
「ピンクで太ってた。」
と、本人には絶対に言えないような返事が来ました。
なるほど、あの見た目は、ぬー的には、なかなかどうして、それなりの見た目だったのか。
すごいじゃないか、と誉めてあげましたよ。
正直、私は気付かなさそうだなあと思いましたしね。
で、家に帰ってきた、ぬー。
「いやあ、ピンクで電話だったよ。」
とワインをちびちびやりながら、改めて報告です。
「ほんと、よくわかったねえ。」
「いや、あの顔はわかるやろ。すぐわかったわ。」
なんだか得意気ですよ。
「やっぱりグリーン車は、芸能人の確率が高いな。」
ま、そういうもんなんでしょうな。
まぁしかし、と、ため息混じりに、ぬーが続けます。
「 どやさ も大変よなあ。パッと見ですぐ芸能人ってわかってしまうってのも。
あれじゃ気が休まる暇もないやろう。」
どやさ?
どやさは、
今いくよ・くるよ師匠
ですよ?
「あ、そうそう、それそれ。」
オイ。
ゥオイ。
そりゃ、いくよ・くるよ師匠は、わかるでしょうよ。
私は後ろ姿だけでわかりましたもの、普通じゃない空気、半端ないですもの、あのお方達。
というか、間違っていたことに対して、なんかないんかい。
とか、何か、ないんかい。
やっぱり、ぬーは、私が思っていたとおりの人でした。
大変満足。
それこそ、着ている服が白いわけでもなかったので、本当にその辺の百万遍に掃いて捨てるほどいる学生にしか見えなかったそうです。
なのに、なぜ、ぬーが彼を識別できたのか。
それはね。
なんか、隣の席で、ネタらしきものを作ってらしたそうです。
で、ネタを読むときに、時計で時間を計りながら、ぶつぶつと確認してるんだって。
秒単位。
ま、一般人じゃないですよね、どう考えても。
そんなこんなで、ただの学生じゃないことがバレたようですよ。
ネタ作りっていうのは、時間とかも考えなきゃいけないんですねえ。
ちょっと、へえ~って思ったのです。
ちょっとだけやけどね。
ほら。
絶対わかんないでしょ。
隣に住んでても気付かないでしょ、アナタ。
そりゃそうですよ、これ、私の親戚のおばちゃんだもん。
って、ちょっと信じたでしょ、今。